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やたいち日記


食材日記です
by yataiti1gou
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たらの白子

日本で流通するタラ科の魚は

真鱈(マダラ)、助宗鱈(スケトウタラ)、 氷下魚(コマイ)

この3種が主ですが、今回は真鱈についてひとつ

身体に「斑(まだら)」模様があることから「マダラ」となった説が有望で

雪が降る頃うまくなるので鱈の字が当てられています

寒さ増す師走のこの時季から産卵のため

白子はねっとりと濃厚になり、冬を代表する佳品となります

その房状になった白子の外見がキクの花や雲に似ているため

地域によっては「キクコ」や「クモコ」ともよばれています


たらの白子_d0176160_18102590.jpg



丸の一本もんの鮮魚ではオスの方が白子があるため値がぐっと張り

メスはたらこが入っているものの、黒く見た目が悪い卵なので値はさがります

ですが青森あたりで作られている絶品のマダラのたらこ料理があります

それはたらこをほぐし醤油と酒につけた「たらこの醤油漬け」で

これは酒にめしにと最高のおともになります

また生姜と少し甘がちのだしでさっと炊いても十分にうまい

なお明太子などにする一般的なたらこはスケトウタラの卵で

マダラの卵ではありません。あしからず


『身はあっさりとやさしい味わい』

白子至上主義の魚河岸では、白子をとった用のない身は二束三文で売られていますが

鮮度が良ければ昆布締めにして刺身や、タラチリなどにしたら十分おいしく食べれます

ほろりとした身を淡い味で煮付けるとなかなかの一品にもなります

但し、生の身は崩れやすいので調理の際は少しお気遣いを

また身をメインに食べる事がありましたら旬以外のマダラをどうぞ

白子やタラコがない分

それらに栄養がとられないので身にうまみがありぐっと料理を引き立ててくれます

特にさつま揚げやかまぼこなんかには最高です

春先の生だらには寄生虫であるアニキスがいることがあるので

生食する場合は十分ご注意を


『タラの加工品』

【棒鱈】
マダラを素干にしたもの
一本で5000円から7000円はする高級品
これを水で戻して甘辛く煮たものが秋田の「棒鱈煮」
里芋と炊いたものが、京都の「芋棒」
郷土料理ではありますが、今では一般家庭でつくることはほとんどないようです

【ぶわたら・生ぶわ】
ベーリング海などアメリカの領海内でとったものを冷凍輸入し
これに一塩したものを「ぶわたら」といいます
これは宮城県で魚をおろすことを「ふわけ」といい
おろしたタラ、すなわち「ふわけたら」が変化して「ぶわたら」になったようです
また一塩していないものを「生ぶわ」と言います
これらは皮付きなのですが、身だけにしたものを「すきみたら」といいます


『良いたらの選び方』

とにかくこの魚は鮮度おちが早い魚なので、買うときはちょいと注意が必要

一本もんの場合は、淡褐色でつやと張りがあり

エラは鮮紅色で目は黒々としているものを選びましょう

切り身は透明感があり、ほのかなピンクがかったものが良いです

身が不透明で白かったり、血合いが茶色っぽい

またアンモニア臭がするといったものは言語道断

白子につきましては透明感がありまっ白で、しっかりした身質のものを選びましょう

とけかけた白子は臭みがあったり火を入れると崩れてしまい食うに至りません

どうせ安いもんじゃございません

少し高くても良いものを選びたいものです

なんたって食ったときの感動が違います

下らない白子では返って安物買いの銭失い

奮発していい白子で一杯と参りましょう


『でかけりゃでかいほどいい』

「たらふく」という言葉があるぐらい食欲がとても旺盛でいつも腹が膨れています

そのおかげで、でかいものはかなりの重さになります

ですが迷わず一番でかいものを買いましょう

怯んだら負けです!

この魚はでかい方が確実にうまいからです

買ってから料理なんか考えればいいんです

タラチリなんかの鍋をやれば意外とたくさん食えますし

身に一塩しておけば身もしまり日持ちもします

そこからの煮付けや※幽庵焼き

西京漬けなんかも良いですし、揚げ物なんかもまたうまい

あっという間に一本なんかチョチョイのチョイです

タラを見て迷っちゃおしまい

さあ、ためらわずに衝動買いしちゃいましょう!

あの腹に包丁を入れる時の緊張感

そして腹から出てくる大量の白子

あんなに興奮させてくれる魚は他にはいません

ぜひあの腹に一刺しの興奮を

※【幽庵焼き】
 江戸時代の茶人で、食通でもあった北村祐庵(堅田幽庵)が創案したとされています
 その調理方法は醤油、酒、味醂を1:1:1であわせ
 ユズの輪切りを加えた漬けダレに数日間漬けこみ焼き上げる料理
by yataiti1gou | 2010-12-07 04:10 | し行
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