やたいち日記 |
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太古の昔、淡水や海水に生じるプランクトンの遺骸が海底や湖に沈み
堆積して出来た土を珪藻土(けいそうど)といいます 実は能登半島の土の約3/4はこの珪藻土であり まさに能登半島は珪藻土で出来ているといっても過言ではありません この珪藻土には空気が大量に含まれており 珪藻土を切り出してつくった七輪には気孔が出来るため断熱性にすぐれ 外側は熱くならず、生活に密着した七輪にはとても最適な素材なのです 陶器の火鉢では熱く焼けてしまい、使いずらく危険なため 次第に陶器のものにかわりこの珪藻土のものが主流となっていきました 『能登で生まれ、三河で磨かれた七輪の歴史』 能登の七輪はこの珪藻土を地中から切り出し焼成して作ります 切ったり接着したりすることはいっさいせず 切り出した土(珪藻土)の塊を削って七輪の形に形成します そして、塗装したのち乾燥させ、乾いたものを磨いて金具をつけ完成となります これだけしか書かないと意外に簡単なもののようですが、 それだけ大量にしかも大きな塊の珪藻土が採取できる 能登の豊富な資源があるからこその産物なのです すでに江戸時代には現在のものとほぼ同様のものが能登や三河で作られていたようです 能登の豊富な珪藻土が育み 三河で送風口の細工などが発展し、今の洗練された七輪となっていきました 現在でも、昔ながらの製法で珪藻土の塊を切り出し削って作ったものを「切り出し七輪」といいます これに対し、珪藻土を粉砕し粘土状にし、金型でプレス成型したものを「練り物製品」といいます 切り出し七輪は熟練した職人技や加工の手間が多く、高価であるのに対し 練り物製品は量産しやすく安価なため、一般に普及している大半の物がこの「練り物製品」です ちなみに今ではあまり見かける事が少なくなりましたが 夏場に使う豚の蚊取り線香も、この珪藻土から出来ています 七輪の需要の少ない夏場の副業となっていたようです 『日本をささえてきた七輪』 第二次世界大戦直後は、土間や竈のないバラックでも容易に使えるため 都心部の庶民生活を支える調理器具として大変な普及をみせました このころは七輪一つで炊飯、煮炊き、焼きもんまでなんでもこなしたそうです また、日本は地震や水害等の災害が多いですが ライフラインが破壊された後でも、これら七輪は多くの被災現場でライフライン復旧までの間 被災者の生活を長らく支えてきました 1980年頃から登場したカセットガスコンロによって、七輪は次第にその役割を終えつつありますが その気になれば倒壊した建物などから燃料を取る事も可能なため 現在でも防災用に七輪の準備がある地域防災倉庫は多いそうです エコポイントなんて気にしてる場合じゃありません これからは一家に一台、七輪の時代です!
by yataiti1gou
| 2010-12-10 01:25
| そのほか
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