人気ブログランキング | 話題のタグを見る

やたいち日記


食材日記です
by yataiti1gou
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

さより

サヨリは遊泳能力が著しく乏しいため、ほとんど真っすぐに泳ぐことが出来ません

そのため外敵から身を守るすべとして、いつも群れをなして生活をしています

このことから多く集まるという意味の「沢寄り」が転じて「さより」となったようです

漢字で書くと、その細長い容姿から針魚や細魚とあてます

魚河岸では、小さなものをその細さからエンピツ(鉛筆)と呼び

大きなものをカンヌキ(門を閉める時、横に渡す棒)と呼びます


『か弱きゆえの恵み』

水族館の話によると、水槽の壁にぶつかっても曲がることが出来ずに前進し続け

あげくのはてには疲れはて、ポックリ死んでしまうそうです

また、とても警戒心が強く臆病なため、追われたり物に驚いたりすると

水面から2メートル近くも弧を描いて飛び上ることもあるそうです

とにかく繊細で飼育をするのがむずかしい魚のようです

ここまでか弱いのに毒を持たないのは不思議なくらいですね

この弱さゆえに養殖されることもなく

私たちはうまい天然の恵みを楽しめるのかもしれません

さより_d0176160_17195717.jpg


腹黒い女性のことを「サヨリのような女性」なんて言ったりします

サヨリの腹を裂いたらおわかりいただけると思いますが

その光り輝くすらりとした外見からは想像も出来ないくらい、腹の中が真っ黒なのです

これは筋肉が半透明で光を透過しやすい魚によく見られる現象で

恐らく腹腔内に光が透過するのを防ぐ適応とみられます

同様に腹が黒いコイ科の淡水魚ハクレンは

成長に伴って食物が動物プランクトンから植物プランクトンに移行する時期

急速に腹が黒変することが知られています

この移行時期に強い日光を浴びると

消化管に取り込まれた植物プランクトンが光合成を行って酸素の気泡が発生し

消化管が膨れ上がって水面に腹を上にして浮かぶなどの障害が発生します

サヨリも後述のように成長に従って海藻も食べるようになるため

あるいは摂食した海藻の光合成を抑制する意味で腹の中が黒いと考えられます

さより_d0176160_1721124.jpg


春の訪れと共に、2月から5月頃が最もおいしくなります

脂肪の少ない淡白な魚ですから、あまり手をかけずに仕立てるのが身上

軽く塩を振ってしばらくおくと、この魚の上品なうま味が一層増します

刺身のほか「昆布〆」やくるりと結んで「椀だね」に「天ぷら」

春先の澄んだ天日にさっと干した「干物」なんかは、お燗と出会い物

身が薄いので簡単にできますよ

ぜひ海水程度の塩水に10分程度つけ、ちょいと干してみてください

あじなどのめしのあてと違い、上品な旨味にぐっと酒がすすむ干物が出来ますよ
by yataiti1gou | 2011-02-10 01:07 | さ行
<< あんこう 五島からの太刀魚 >>


カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
メモ帳
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
たかやしろエステートブラン
at 2013-02-24 22:23
日置桜
at 2013-01-07 16:47
鷹勇
at 2012-12-16 17:07
鯉川
at 2012-11-30 00:20
さつまいも・蔓無源氏(つるな..
at 2012-11-23 01:03
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧