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やたいち日記


食材日記です
by yataiti1gou
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うなぎ

うなぎは、日本以外にも東アジアやヨーロッパなど広く世界に分布し

いろいろな料理で食べられています

イタリアではマリネしたうなぎを豪快にグリル

フランスではぶつ切りをワインで煮込み

デンマークは燻製にしたうなぎでビールを流し込み

ベトナムではうなぎのから揚げをドカンと春雨スープに入れ

上海には名物料理「うなぎの醤油煮」があります

しかし日本ほど珍重はされておらず、大半がぶつ切りで料理されています

うなぎをさいたり蒸したりと手間隙かけるのは、日本独特の文化なのかもしれません

しかしそんな日本でも昔は蒲焼の字があらわすように

蒲の穂のようにぶつ切りにしたうなぎを串に刺して焼き

山椒味噌などを塗って屋台などで供されていたようです

徳川家康の時代に江戸を開発した際、干拓によって多くの泥炭湿地ができ

そこにうなぎが住み着くようになったため、労働者が食べるようになったようです

あぶらが強い為、労働者などには喜ばれたようですが、下賎な食べ物と看做され

当初は雑魚あつかいだったようです

一般に広まったのは、開いて焼いたり蒸したりして油を落とすようになった江戸後期からで

それ以降、江戸が発祥の料理であることから江戸の代表的な食物となっていきました

蕎麦ほど美学は少ないものの

注文があってから裂いて焼くので、時間がかかることから「鰻屋でせかすのは野暮」

白焼きなどを取って間をつなぐのは邪道「蒲焼が出てくるまでは新香で酒を飲む」などといわれ

江戸っ子にとっては一家言ある食べ物とされてきました


うなぎ_d0176160_1101579.jpg
『東西の違い』

現在の蒲焼きにする際

東西の作り方で最も違う点は

蒸しの工程が入るか如何か

関西は直焼きすることで

程好い歯応えが楽しめ

関東は蒸してから焼くことで

ふっくらとした食感が楽しめます

開き方の違いとしては

関西は腹開きで関東は背開きになります

町人の町、西の大坂では

腹開きが「腹を割って話す」と言う意味を持ち

武士の町、東の江戸では

腹開きが「切腹」を連想させるので

背開きになったと言われています

九州では背開きで蒸さずに深めに焼くものが主流です

※写真は先日、白焼きでお出しした浜名湖の天然うなぎ


『刺身は厳禁』

うなぎの血液にはイクシオトキシンという神経毒が含まれるため

生で食べることはできません

ただし、生でも血液を完全に抜いて酢でしめれば刺身で食べることもできます

熱を加えると変性し毒性が消えるので、加熱すれば問題ありません

また古くから、鰻と梅干は食い合わせが悪いとされていますが

これは食禁の代表的な例で、江戸時代中期以降に広まった日本固有の俗信と考えられています

医科学的な根拠はとくにありませんのでご安心を


『うなぎの生態』

生息域は川や河口や湖ですが

体内調節が得意で海水でも生きられるため、内湾などの海にも生息をしています

また、えらの他に皮膚でも呼吸できるため

体と周囲が濡れてさえいれば陸上でも生きていられます

雨の日には生息域を抜け出だして、他の離れた水場へ移動することもあり

路上に出現し人々を驚かせることもあるそうです

濡れていれば切り立った絶壁でも体をくねらせて登るため

「うなぎのぼり」という比喩ができたほどです

またうなぎの産卵場所はフィリピン海溝付近の海域とされ

外洋域の深海ということもあり長年にわたり謎とされてきました

しかし、2006年に東大の研究チームが

ニホンウナギはグアム島やマリアナ諸島付近であることをほぼ突き止めたそうです

なぜそんな遠くで産卵をし、そして生まれた稚魚がまた日本へたどり着くのか

まさに神秘そのものですね


『土用の丑の日』

「土用の丑の日」にうなぎを食う風習ができたのには諸説ありますが

平賀源内の話があまりにも有名です

その由来ばなしをあらためてひとつ

江戸は末期、夏の暑さで客の来ないうなぎ屋のため

平賀源内が「本日土用の丑の日」と大書して店先に貼ったところ

客が次々に押し寄せ繁盛したそうです

それからというもの「土用の丑の日」は「うなぎの日」という風習ができたようです

しかし、土用の丑の日は夏ばて予防として食べられていますが

本来うなぎの旬は冬眠に備えて身に養分を貯える晩秋から初冬にかけてで

秋から春に比べて夏のものは残念ながらちょいと味が落ちます

近年は大半が養殖もので、味がある意味安定しているのであまり関係ございませんが

もし天然ものを食べる機会がありましたら、松茸の出まわる秋の味覚として楽しみたいものです
by yataiti1gou | 2011-06-09 01:36 | う行
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