やたいち日記 |
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江戸前の天麩羅を語るうえで必ずといっていいほど名前があがるギンポ。
近年では市場に出まわるほどの漁獲量はなく、 魚河岸でも滅多にお目にかかれない幻の天だねとなりました。 しかし今回ご紹介する魚は、 この幻の天だねであるニシキギンポ科のギンポでわなく、別種のボウズギンポ科のギンポです。 日本には「ギンポ」と名の付く魚は意外や多く、その色や形姿はさまざま。 きらびやかなものも多く、観賞魚の類もたくさんいるようですよ。 親近感の沸くずんぐりとした魚体にかわいらしいオメメ。 ほっぺには点々としゃれおつな小黒斑があり、なんとも愛らしい容姿。 しかし大きくなると気味の悪いことに1メートルを超え、なんと10キロ以上にもなるそうです。 この顔で。 身質はアイナメやタラなんかに似ています。 味わいはとても淡白で、季節や産地により脂ものって参ります。 淡白ゆえにどのような料理にしてもあわせ易く、しかも美味。 北海道では近年、船上で魚を活けじめにして出荷することが浸透し、 それにより以前では出荷のなかった魚が、新鮮な状態で刺身用として流通する様になりました。 このボウズギンポもその恩恵を受けた魚のひとつです。 近年では稀に市場へ出荷されていますが、一昔前は食用にはされなかったようです。 個体数が少なく、しかも一般的にあまり売れる魚ではないので専門に狙う船は少なく、 延縄(はえなわ)や底曵網(そこびきあみ)なんかに紛れ込んだものが出荷されているようです。 きっちり活けじめにしたものは身質がよく刺身でもいけますが、 底曵網(そこびきあみ)で揚がったノジもんは、寿司やのお目にかからないため二束三文。 生息域は茨城県以北の北太平洋側、北海道からカムチャッカ(ロシア)方面。 水温の低いところがお好みのようです。
by yataiti1gou
| 2011-10-29 04:28
| ほ行
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