やたいち日記 |
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蔓無源氏は、明治28年に広島市の契約移民の久保田勇次郎氏が、 オーストラリアから持ち帰った品種『源氏種』の突然変異で、 ツルの長さが源氏に比べてはるかに短く、 芋の新芽が赤く色づくのが特徴です。 この芋はでんぷん歩留まりが高く、現在栽培されている高でんぷんの育成品種の多くが、 この芋の血を受け継いでいるといわれています。 大正時代から昭和の初め頃までは、鹿児島県でもかなり多くの生産量があり、 食用や焼酎、でんぷん用などで盛んに栽培されていたようです。 一時は、西の『蔓無源氏』東の『紅赤』と呼ばれた時期もあったそうです。 しかし第二次世界大戦を機に、当時収量の高かった『農林2号』や、 形状に優れていた『鳴門金時』などの芋が取って代わり、 昭和40年以降は鹿児島県でも収穫実績がなくなり、 現在では、ほぼ絶滅状態となってしまいました。 この、絶滅状態だった「蔓無源氏」を復活させたのが鹿児島の国分酒造です。 「大正時代の焼酎」を再現すべく、 当時使われていた黒麹の老麹(ひねこうじ)で仕込みました。 大正時代というのは、それまでの黄麹による芋焼酎造りから、 黒麹による芋焼酎造りが定着するようになった時期で、 この頃の麹は、培養時間が長く真っ黒になった黒麹(老麹)を使って焼酎を仕込んでいたそうです。 ようやく大正時代の麹が完成したものの、 肝心な原料であるさつまいもが大正時代に作られていたものがなかった為、 結局のところ、現代の芋焼酎の大半に使われている「コガネセンガン」で仕込んでいました。 しかし今回、大正時代に作られていた「蔓無源氏」を 平成15年の夏、農業試験場に出向きこの芋の苗を10本ほど頂き、 霧島市福山町の農家である谷山さんに栽培をお願いし、 この「蔓無源氏」で仕込むことで真の「大正時代の焼酎」が再現されたというわけです。 「蔓無源氏」は皮が赤く中身は栗色、 ふかして食べると甘みがあり種子島で栽培育されている安納芋にどこか似ています。 この「蔓無源氏」は、今のところ日本で谷山さんしか栽培をしておらず、 まだ僅かな収穫しかないため貴重なさつま芋となっています。
by yataiti1gou
| 2012-11-23 01:03
| さ行
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