やたいち日記 |
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山形県は庄内町(旧余目町)にある鯉川酒造は、
幻の酒米『亀の尾』の復活に大変な尽力された酒蔵として業界ではとても有名です。 しかし『亀の尾』というと「夏子の酒」で有名になった、 新潟県の久須美酒造を思い浮かべる方も多いと思います。 確かに鯉川酒造の一年前に「亀の尾」を使い日本酒を販売しましたが、 『亀の尾』の発祥地は鯉川酒造のある庄内町(旧余目町)です。 この米の発見・育成者である阿部亀冶の曾孫の阿部喜一氏から一握りの種籾を譲り受け、 長い歳月を掛けて日本酒が醸せる量まで栽培量を増やし漸く商品化したのがこの鯉川酒造です。 その熱意を見せようと、仙台国税局主催の東北清酒鑑評会に、 平成9年に亀の尾を使って醸したお酒を出品しました。 鑑評会で確実に賞を取りたければ、 酒蔵さんは迷わずに扱い易く、受賞率の高い山田錦を使います。 ある年の例を見ると、全国新酒鑑評会に出品された酒920点のうち、 山田錦を100%使った酒が781点(第二部)と全体の85%を占めています。 しかも、 残る139点についても「山田錦の使用割合が50%以下」をクリアしているだけで、 「麹米は山田錦、掛米が山田錦以外」というお酒が圧倒的に多いようです。 その様な状況ですから、鯉川さんの「100%亀の尾で仕込んだ酒」は無謀と思われる挑戦でした。 結果は当然の如く選に漏れましたが、日本酒業界の重鎮だった上原浩さんが、 鯉川酒造に対して「挑戦を続けるように」と指示したことから、 鯉川さんはその後もずっと東北の鑑評会に亀の尾で仕込んだ酒を出品し続けました。 そして平成20年、ついに亀の尾を100%使った純米大吟醸が優等賞を受賞したのです。 苦節11年。 「亡き父から二代がかりの夢がかなった」と新聞記者の取材に佐藤一良蔵元は話したそうです。 なんだかこっちの方がドラマチックですよね。 あきらめなければ夢は叶う。 なんて・・・ 鯉川さんの商品にはいろいろなバラエティーがありますが、純米や純米吟醸あたりは、 お燗をつけると、米の旨味がほどよくありながらとても滑りが良く、 つまみに寄り添う穏やかな味わいに仕上がるものが多いように感じます。 特別な日というよりも毎日飲みたくなる。 そんな気にさせてくれる地酒。 栓を開けてからすぐよりも、数日ほどおいた方が味に変化が出ておもしろいと思います。
by yataiti1gou
| 2012-11-30 00:20
| 日本酒
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