やたいち日記 |
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鳥取県の最西端に位置し、北に日本海、南に中国山地を望む日置郷。
この田園の一角に明治20年創業の山根酒造はあります。 冬になると雪深いこの地には、旧正月の頃に満開となる桜の名木があり、 春を待つ心に酒を酌み交わす意を込めて「日置桜」と名づけたそうです。 「醸は農なり」と日置桜の酒造りは、常に農業の延長線上にあり、 使用する酒造好適米は15件の篤農家の手によって低農薬、低肥栽培されています。 『強力復活へ』 山根酒造で現在つかわれている酒米の強力。 この酒米は穂先までの長さが150cmにもなり、最も長桿品種とされています。 大正時代に鳥取県を原産として生まれ、 寿司米や酒米として県外にも多く出荷されていたそうですが、 「強力を育てるのは暴れ馬を乗りこなすようなもの」といわれるほど育成が難しく、 戦後の近代的な農法に合わなくなってきた「強力」は姿を消してしまいました。 しかし強力復活への願いを込め昭和58年秋に模索が始まり、 ついに昭和61年、鳥取大学農学部で原種保存されていた強力に出会います。 僅か一握りにも満たない貴重な標本です。 同大学の木下教授(現在強力をはぐくむ会代表幹事)に事情を話し、 種籾として分けてもらうことを嘆願。 木下教授はその熱意に共鳴し、大学の試験圃場での育苗が始まりました。 一年後、一俵ばかりの籾が獲れ、 現在では、篤農家の手によって青谷町中郷谷一帯を黄金色に染めるまでになったそうです。 『強力の特徴』 強力は晩稲の大粒品種。 粗蛋白が極端に少なく無農薬で育てるのはとても難しいそうです。 無農薬(減農薬)で育てる場合、雑草との戦いであり、 とても収穫量を上げる事が出来る品種ではないそうです。 また線状心白と呼ばれる澱粉質形状を持っていています。 心白には他に球状心白と呼ばれるものがあり、 球状心白の場合、精米歩合の限界は50%程度なのに対し、 線状心白の米は35%以下の高精白が可能です。 この線状心白を持つ米は、強力・山田錦・雄町の三品種のみで、 これらの米は純ジャポニカ系の米と考えられています。 この強力で造られた酒は搾ったばかりだと膨らみは小さく、 香りも沈んでいて渋く堅いものが多いようです。 しかし熟成させることでその味わいは豹変し、 特有の酸や熟成味が出て極上の燗上がりをみせる酒となります。 また、酵母は香りが立ちやすい9号酵母などより、 香りが穏やかで、しっとりとした味わいになる7号酵母などの方が強力にあっているようです。 鍛造シリーズは、この酒米を栽培する内田百種園のお米を100%使った純米酒の商標です。 原料米 強力(内田百種園バイケミ農法米) 精米歩合 80% 日本酒度 +11 酸度 2.2 酵母 蔵付酵母 アテもなく酒だけでチンタラやると少し酸が気になりますが、つまみとは出会い物。 赤い肉よりは白い肉をちょいと濃く味付けしたものなんかいかがでしょうか。 豚だったら角煮、鶏だったらタレで食うねぎま。 今の時季だとぶりの照り焼きなんか最高ですね。 蔵内で2年の熟成を経ていますが、もう少し寝かせさらなる熟成も楽しみたい一本。
by yataiti1gou
| 2013-01-07 16:47
| 日本酒
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