やたいち日記


食材日記です
by yataiti1gou
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カテゴリ:さ行( 10 )

さつまいも・蔓無源氏(つるなしげんじ)


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蔓無源氏は、明治28年に広島市の契約移民の久保田勇次郎氏が、

オーストラリアから持ち帰った品種『源氏種』の突然変異で、

ツルの長さが源氏に比べてはるかに短く、

芋の新芽が赤く色づくのが特徴です。

この芋はでんぷん歩留まりが高く、現在栽培されている高でんぷんの育成品種の多くが、

この芋の血を受け継いでいるといわれています。

大正時代から昭和の初め頃までは、鹿児島県でもかなり多くの生産量があり、

食用や焼酎、でんぷん用などで盛んに栽培されていたようです。

一時は、西の『蔓無源氏』東の『紅赤』と呼ばれた時期もあったそうです。

しかし第二次世界大戦を機に、当時収量の高かった『農林2号』や、

形状に優れていた『鳴門金時』などの芋が取って代わり、

昭和40年以降は鹿児島県でも収穫実績がなくなり、

現在では、ほぼ絶滅状態となってしまいました。

この、絶滅状態だった「蔓無源氏」を復活させたのが鹿児島の国分酒造です。

「大正時代の焼酎」を再現すべく、

当時使われていた黒麹の老麹(ひねこうじ)で仕込みました。

大正時代というのは、それまでの黄麹による芋焼酎造りから、

黒麹による芋焼酎造りが定着するようになった時期で、

この頃の麹は、培養時間が長く真っ黒になった黒麹(老麹)を使って焼酎を仕込んでいたそうです。

ようやく大正時代の麹が完成したものの、

肝心な原料であるさつまいもが大正時代に作られていたものがなかった為、

結局のところ、現代の芋焼酎の大半に使われている「コガネセンガン」で仕込んでいました。

しかし今回、大正時代に作られていた「蔓無源氏」を

平成15年の夏、農業試験場に出向きこの芋の苗を10本ほど頂き、

霧島市福山町の農家である谷山さんに栽培をお願いし、

この「蔓無源氏」で仕込むことで真の「大正時代の焼酎」が再現されたというわけです。

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「蔓無源氏」は皮が赤く中身は栗色、

ふかして食べると甘みがあり種子島で栽培育されている安納芋にどこか似ています。

この「蔓無源氏」は、今のところ日本で谷山さんしか栽培をしておらず、

まだ僅かな収穫しかないため貴重なさつま芋となっています。
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by yataiti1gou | 2012-11-23 01:03 | さ行

山東菜 (さんとうな・さんとうさい)

毎年、東京市場では12月10日前後から10日間しかセリが行われない今や幻の山東菜。

その名の通り中国の山東省が原産で、白菜と同じアブラナ科の野菜です。

白菜のように丸く結球せず、葉先が菜っ葉のように開いたまま半結球で育つのが特徴です。

明治8年の東京博覧会で清国から山東ハクサイとして紹介され、

その後、日清・日露戦争で中国へ出征した人々が持ち帰った種がきっかけで、

全国的に栽培される様になったそうです。

しかし、大半が漬物に利用される山東菜は1株で6~8キロもあるため、

高齢化の進む山東菜の農家は次々と辞めてしまい、

現在ではそれに代わり1株2~3キロで流通や作業が楽な白菜が市場の主流となりました。

数少ない現在の主な産地は埼玉ですが、昔は東京やその周辺でも沢山栽培されていたようです。

荒川や江戸川においてその運搬を『べか舟』という1人乗りの小船によって行ったことから、

関東では『べか菜』ともよばれています。

通年栽培されていますが、若摘みの小型の物は春。

漬物用に大きくなってから収穫されるものは、

12月の漬け時に合わせて栽培されているので、12月が旬です。

山東菜は白菜に比べ、長期に漬け込んでも酸味があまり出ないのが特徴で、

昔はどこの家庭でも2樽、3樽と漬け込み春まで食べたそうですが、

食の多様化・料理の簡易化・外食化により、今ではほとんど忘れさられてしまいました。

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山東菜は普通の白菜よりカロチンの含有量が豊富であり、

ビタミンCやカルシウムも豊富で整腸作用があるほか、肩こりにも効くそうですよ。
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by yataiti1gou | 2011-12-06 17:18 | さ行

さんま 厚岸ブランド 『大黒さんま』

『淡水と海水が入り混じる日本で唯一の海水湖』

厚岸の魚介が豊なのには特異な理由があります。

それは、ずばり水質です。

厚岸湖とそれに直結する厚岸湾は、外海の海洋性プランクトンが豊富な海水と、

別寒辺牛川の植物性プランクトンの豊かな淡水が混じり合う独特な水質の海域となっているのです。

さらに年間を通して水温が低く、温度変化が少なく安定しているので、

魚介類はたっぷりと栄養をとりながら成長できるというわけです。

そんな豊な漁場を誇る厚岸で人気なのが皆様ご存知のかき、そしてあさりです。

あさりの産地としてはあまり知られていませんが、

潮の満ち引きで見え隠れする「あさり島」があるほどで、年間1千トン超の水揚げを誇っています。

そしてなんといっても近年話題になっているのが、今回とり上げている『大黒さんま』

この『大黒さんま』は、大小の選別から箱詰めまで、

徹底された鮮度保持を水揚げ後すぐに船上でこなし、

出船から24時間以内の日帰りで帰路につき、

活きが良く大型のさんまだけを『大黒さんま』として、セリ後その日のうちに出荷しています。

このさんまの特徴はなんといっても鮮度!

「外線殺菌冷却海水」で瞬時に鮮度を閉じ込めたこのさんまは、

その鮮度の良さから、垂直につかむと頭が天を仰ぎまっすぐにピンと立つほどです。

塩焼きはもちろんですが、『大黒さんま』といえばやっぱり刺身。

身がシャンとしてひと味ちがいます。

先ずは刺身でおためしを。

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※この『大黒さんま』が出荷されるのは、最高の型が獲れる8~9月中旬までのわずかな期間で、

9月も半ばを過ぎると出荷は終了します。


 
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by yataiti1gou | 2011-10-01 17:16 | さ行

里芋・きぬかつぎ

まだまだ暑い日が続きますが、食材はお先に秋一色。

脂ほとばしる秋刀魚の塩焼きに煎った銀杏、香りだけで三杯は飲める焼しいたけに秋鮭、

そして初秋の主役『きぬかつぎ』

とれたての里芋をふかし、塩をつけていただく。

ただそれだけなのに、うまい。

野趣に富む見てくれとは相反し、繊細かつ複雑。

お燗なんかをちょいとつければ、なんともしみじみ秋を感じさせてくれます。

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『きぬかつぎの由来』

平安時代ごろからの風習で、高貴な女性が寺参りなどで外出するとき、

顔を隠すためにかぶった小袖(こそで)、またはその姿のことだそうです。

黒衣の下に色白の肌を隠したさといもの姿形と似ているため、

きぬかつぎというたいそうなお名前を頂戴したようですよ。
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by yataiti1gou | 2011-09-10 15:24 | さ行

鮭 其の弐 『北海道の紅鮭』

海にいるときは銀白色ですが、成熟するにつれ全身に婚姻色である紅色が発現し

川へ遡上するころになると鮮やかな紅色に染まります

この事から『紅鮭』と呼ばれています

英語読みのままソッカイ(Sockeye )ともよばれることもあります

孵化した個体は、白鮭(秋鮭・時しらず・鮭児)とは違いその年には降海せず

途中の湖などで1年から数年ほど過ごした後、春に降海します

なかには降海せず、湖や河川に残留する個体がいます

これを『ヒメマス』と呼びます

また、アイヌ語でヒメマスのことを「薄い魚」を意味するカパチェプ(kapacep)と呼ぶため

北海道では「チップ」とも呼ばれています


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『北海道産』

現在の日本市場に並ぶ紅鮭は、主にロシアやアラスカなどからの輸入物が中心となっています

紅鮭は、北緯50度以南では育たない為、実は日本では獲れません

北緯50度というのは、北海道のさらに北、ロシアのカムチャッカ半島の南端です

では「北海道産」とはいったいどうのようなものなのでしょうか

実はカムチャッカ半島生まれの紅鮭を、回遊途中のロシア沖で獲り

その船を北海道の港に入れて陸揚げすると、その表示は「北海道産」とできることになっています

日本で獲れないはずの紅鮭に、北海道産のラベルがつくのには、こんな事情があるわけです

外国船は、船上ですぐさま内臓を取り除き、塩をしたり冷凍します

日本船もやはりそのように処理します

焼いたり煮たりして食うにはそれで十分なのですが

刺身で食うには、ひと手間足りない

それを叶えてくれるのが我が日本漁船

船上できっちり活〆にして、少量ながら冷凍や塩蔵をせず生の鮮魚で出荷してくれます

こいつを「ルイベ」にすれば、この時季にはもってこいの一品

ぬるめの燗でほろりとやるのはまた格別でございます


※ルイベとは半凍らしで食べる鮭の刺身
 ルイベの語源はアイヌ語の「ルイペ」とされ、「ル」が「溶ける」、「イペ」が「食べ物」を意味します
 しかしアイヌが主に用いた魚は鮭ではなくコマイで、凍結と乾燥を繰り返した干物のような食品

※ロシア200海里内において日本船が操業し漁獲した紅鮭を「本チャン」と呼びます


『新巻と山漬』

新巻(あらまき)とは、鮭の体重の20%程度の食塩で塩蔵したものです

荒巻とも書きます

昔は塩蔵した鮭を藁(わら)で巻いたことから「わら巻」と呼ばれ

それが転じて「新巻」となったといわれています

昔は冷蔵技術がなかったこともあり

塩をたっぷり使って常温で水分を除いてゆくことにより保存性を高めました

その過程で、たんぱく質がアミノ酸に分解されてうまみのある塩鮭の味がつくられてきました

しかし現在では、このような昔ながらの新巻を造るところは少なく

減塩志向や冷凍技術の発展に生産性などいろいろな点から

「箱冷」と呼ばれる方法で造ります

これは生の鮭を箱に並べ、塩といっしょに冷凍庫へ入れるというものです

見てくれは同じでも、これでは新巻本来の熟成味は悲しいことにございません


「山漬」とは、魚を山のように積み上げ、2週間ほど熟成させる古来から伝承される製法です

余計な水分が抜け、魚の旨みが濃縮されて、深い味わいになります

※加工前約4キロの鮭は、熟成後には水分が抜けて凝縮され、約2,5キロほどになります
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by yataiti1gou | 2011-07-20 17:17 | さ行

『秋鮭』

素干しにしたり、塩引きにしたり、あの手この手で保存され

古代より重要な食用魚であった鮭

平安時代には朝廷への献上物や租税の代わりにもなったようです

鮭は秋口になると河川で産卵し、卵は二ヶ月ほどで孵化します

孵化した仔魚は海へ下って甲殻類などを食べて過ごし、徐々に沖合へ移動していきます

海で2年から8年の間を過ごした後、また秋口になると生まれ故郷の川へ回帰し産卵をします

この産卵期に川で獲れる鮭を『秋鮭・秋あじ』と呼び

その腹の中には見事な筋子や白子がたっぷり!

秋の味覚に花を添えてくれます

※産卵のため、秋に接岸した鮭の中にはまだ未成熟な鮭も混ざっています
 ほどほどに旨味や脂もあり『銀毛・ぎんけ』という名で鮮魚流通しています


『時しらず』

本来、魚の旬とは産卵前をさします

これは産卵にそなえて餌をたくさん食べ、身に旨味や脂がのって美味いからです

しかし鮭の旬といえば産卵前ではなく

身の栄養が産卵のため卵や白子にとられ、身の脂が落ちきった産卵期といわれています

それはいったいなぜなのでしょうか

大まかに理由は三つあります

先ず一つ目は、身の脂が落ちきった鮭のほうが脂焼けせず、長期保存ができるため

冷蔵庫のない昔にはそのほうが都合が良かったということ

二つ目は皆様もご存知の卵(いくら)が珍重されていること

そして三つ目は、鮭が産卵で一気に河川へ押し寄せるため、漁の効率が良いということです

しかし、この秋口の産卵期ではなく

産卵前の夏に沖合いで獲れる珍しい鮭がいます

それが『時しらず』です

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名前の由来は、時期はずれの5月~7月に獲れること由来しています

『時しらず』は、秋に獲れる『秋鮭』と同じ白鮭という種類の鮭ですが

産卵期でないため筋子や白子が未成熟な分、身に旨味や脂がのり美味で珍重されています


『鮭児』

秋鮭や時しらずと同じ白鮭の中でもっとも高価な幻の鮭『鮭児』

この鮭児とは知床の羅臼から網走にかけての海域で

11月上旬から中旬の一時期、稀に捕獲される幻の鮭といわれている若い白鮭です

ロシアのアムール川あたりの成長途上の鮭がなんかの拍子に下ってしまい

北海道の川へ溯上する群に紛れ込み、偶発的に獲れる鮭のことです

まだ若いので、精巣や卵巣が未成熟な分、それらに栄養素がとられないため

身に栄養素がたっぷりとあり、あぶらのりが良く身締まり抜群というわけです

一度冷凍をすれば刺身だって食えますよ
 
しかしびっくりするのがそのお値段!

なんたって1万匹だかに1匹くらいの割合でしか獲れないそうで

一尾ウン万円の高級品でございます

宝くじでも当たらなきゃ、手なんか出せません

たかが鮭だろ!なんて声も聞こえてきそうですが

それではなぜ、スーパーで一切れ200円の鮭と、ここまで値段差があるのでしょうか
 
それはズバリ!種類の違いにあります

先ず、鮭は天然ものと養殖ものに分かれます

白鮭(秋鮭・時しらず・鮭児)と紅鮭は養殖されていないので天然ものとなりますが

スーパーのものは、養殖ものの銀鮭です

銀鮭は成長が早いので比較的安価に出荷できるので

スーパーの塩鮭やコンビニのおにぎりなどによく用いられています

養殖ものは、餌の違いで天然ものにはない独特の臭いがあり、少し気にはなりますが

日頃食べるには、これで十分

時しらずや鮭児などに比べると、手軽さやお値段はある意味お徳かもしれません


『鮭と塩』

昔は冷凍庫などあるわけもなく、干すか塩漬けにするしか保存手段がありませんでした

しかし塩は身を引き締め、魚に含まれているタンパク質を旨味成分のアミノ酸へ変化させ

鮭の旨味を存分に引き出す効果がありました

いわば鮭の塩辛です

えも言われぬ深き旨味に、いくらめしがあってもたりないほどです

近年では、冷凍技術の発達に伴い、塩をせずとも保存ができるようになったことや

健康ブームの影響で減塩がもてはやされ

今では昔ながら趣のある塩鮭はほとんどなくなってしまいました

いつだったか、北海道出身のおじさん家へ行ったとき

時しらずの汁もんをいただいたことがありました

塩漬けにした時しらずに、じゃがいもと水を入れて煮た簡単な汁ものでしたが

とても美味かったことを鮭を見るたびに思い出します

塩鮭独特の旨味がたっぷりとじゃがいもに染み込み、なんともいえぬ美味さでした

その当時、柏あたりでは珍しかった

きたあかり(じゃがいも)を食べて、旨さに驚いたのもこの時だったような‥‥


『自然の神秘』

川で生まれ、海で過ごし、産卵のためにまた故郷の川に戻り息絶える

この鮭の生態を皆様はご存知と思いますが

なぜ広い大海原で何年も過ごした鮭が、生まれた川にちゃんと戻ってこれるのか

不思議に思ったことがありませんか

あまませんよね

でもちょっと気になったので調べてみると

『太陽を目印に』とか、『海流をコンパスに』などいろいろな説がありましたが

最も有力なのは『川の匂いを覚えている』という説のようです

本当なんですかね~

俺なんかちょっと酔っ払うと家にも満足に帰れないっていうのに
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by yataiti1gou | 2011-07-12 16:44 | さ行

ひむか本サバ (宮崎県水産物ブランド認証 第4号)

「ひむか本サバ」は、漁獲した天然の稚魚を湾内のいけすで育てている宮崎のさばです

より安全で安心な食材を提供するため、他の養殖産業と違い無投薬で養殖をしています

出荷前は7日以上の餌止めを行い、胃内容物を完全に除去することで身質を安定させ

飼育履歴の明示など条件を満たした400g以上ものだけを活け締めにして

ブランド認証のシールが貼られて出荷されています

この「ひむか本サバ」の養殖に取り組む「北浦養殖マサバ協業体」は

農林水産祭中央審査委員会で、水産部門の内閣総理大臣賞にも選ばれました

内閣総理大臣賞は最高賞の天皇杯に次ぐ栄誉で

養殖業の経営が厳しさを増す昨今、取り組み事例の少ないマサバ養殖に挑戦し

消費者のニーズや取引先の信頼に応える安全で安心な養殖魚の生産技術を確立し

経営を改善した点が大きく評価されました

サバは、うろこがほとんどないので、魚体が網などに擦れると痛みやすく

また水温が28度を超えると途端に弱り死に至ることもあることから

養殖魚のなかでも扱いがとてもむずかしいようです


『注目のDHAとEPA』

脳の良さとは、脳の機能がどの程度活性化しているかであり

脳も栄養が十分でなければ、せっかくの力を発揮することができません

そこで脳のパワーアップに熱い視線を浴びているのがドコサヘキサエン酸、略してDHAです

「日本の子供が頭脳明晰なのは、魚をたくさん食べてDHAを多く摂っているからだ」

と報告したイギリスの学者なんかもいるぐらいです

さばの脂質にはDHAやEPAなどが豊富に含まれ、含有量は青魚の中でも郡を抜いています

記憶力の低下を抑えたり、目にも良いといわれ、EPA(エイコサペンタエン酸)は

血中のコレステロールや中性脂肪を低下させる働きを持っています

また、さばの血合い肉には多くの栄養素が集中しており

鉄分やビタミン群、タウリンが多く含まれ、貧血、皮膚炎、胃腸疾患などの予防

老化の抑制などの効果が期待できます

さらに、カルシウム、ビタミンD 、肌の健康促進によいとされるビタミンB2も多く含まれています

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『お中元の起源は鯖にあり』

そもそも、お中元とは古代中国から伝わった7月15日のことでした

1月15日の上元、10月15日の下元とともに「三元」と呼ばれる年中行事の一つで

今まで犯した罪を償う日として、その日一日は庭で焚き火をする習慣のことでした

そして、7月15日にはもう一つ孟蘭盆会(うらぼんえ・お盆)がありました

地方によっては、1ヶ月遅れの8月に行いますが

記録によると推古天皇十四年(606年)の7月13日から16日にかけ

宮中で初めてお盆の行事が行われました

つまり、この時代にはお盆の行事とお中元の行事が同時進行していました

やがて室町時代になると、お盆の行事が死者を迎えて、その魂を供養するのに対し

お中元の行事は「御めでた事」と呼ばれ

「今生きている事を喜ぶ」「無事を祝う」という、生きている人のための行事に変わっていきました

朝廷や武家の間では、親戚や知人の家に訪問し合い

交流を深め、お互いの無事を喜ぶといった事が盛んに行われました

やがて、江戸時代になると、その風習はもっと盛んになり

贈り物として人気であったうどんやそうめんを贈ったり

手土産を持って挨拶に行くようになりました

ちなみに江戸時代の七夕祭りの宵

御三家をはじめ諸大名から七月七日の祝いとして将軍家にサバを献上するならわしがありました

後に本物のサバではなく、金銀を献上するようになり

これが今日の御中元と称して進物する起源となったという話もあります


『さばがあたる』

さばにあたったことがあるという人のためにも少し調べてみました

アレルギーの人は止むを得ませんが

それ以外の人は鮮度がよく、ちゃんと管理されたさばであれば大丈夫です

せっかくのうまいさばを間違えた知識で食べれないのではもったいないですもんね

【サバアレルギー】

先ずは単純にサバアレルギーです

そばアレルギーなどと同じように食物アレルギーなので、こればかりはどうにもなりません

残念ですが体質なのでこのアレルギーのある人は食べないようにするしかありません

「花粉症」と同じように体質によってはさばを食べても平気な人がいる一方

今まで平気だった人が急に「サバアレルギー」になることもあります

この点もまた「花粉症」ととても良く似ています


【ヒスタミン中毒】

サバを始めとしてサンマ、イワシ、マグロ、カツオと言った赤身の魚には

ヒスチジンと言う化合物が多量に含まれています

これらの魚を水揚げした後、保存している間に細菌の作用により

これがヒスタミンに変換されます

このヒスタミンは人の体内に入ると、発赤・発疹・吐き気・めまい・動悸といった

食物アレルギーに似た症状を引き起こします

しかしこれはサバ自体がだめなサバアレルギーではなく

鮮度の落ちたサバが増やしたヒスタミンによる中毒です

実際にサバがあたったという患者を検査してみると

“サバアレルギーではない”という結果がほとんどで

大半がヒスタミン中毒であり、本当のサバアレルギーはほんの数%だったそうです

鮮度の良いサバでは、ヒスタミンの量が少ないので問題はありません

鮮度が落ちたサバはもちろんのこと、体調の優れないときは控えたほうが賢明です

「よく火を入れれば大丈夫だ」なんて方がいらっしゃいますが

それは下記のまとめた細菌性食中毒の対処法です

最悪なことにヒスタミンは加熱してもなくなりません

鮮度が落ちてヒスタミンがたまった魚は、焼いても中毒を起こしてします

とにかくきっちり管理をして新鮮なうちに食べることが大切です


【アニサキス症】

アニサキスとは、サバなどの魚介類につく寄生虫の一種で

イルカやクジラの回虫で、その腸に寄生しています

イルカやクジラの便には当然この寄生虫の卵が沢山含まれます

この便を魚が食べ、その魚の腸のなかで卵が孵化して幼虫になります

アニサキスの幼虫を持った魚達は再びイルカ・クジラの餌食となり

魚といっしょに食べられた幼虫は

またイルカ・クジラの腸の中で成長してアニサキスの成虫になります

このようにアニサキスはイルカ・クジラ→魚→イルカ・クジラの循環の中で一生を暮らしています

それを人間が横取りして、しかも生でアニサキスとともに食べてしまうことによって起こる病気が

「消化管アニサキス症」です

本来イルカ・クジラの寄生虫ですから人間の消化管では成長することは出来ず

苦し紛れに粘膜を破り、さらに胃や腸の壁の中にもぐりこんで穴をあけることもあります

体験したことはありませんが、これはかなりの激痛のようです

治療は内視鏡で虫をつまみ出すそうですが

虫をつまみ出した瞬間、嘘のように痛みが消えるそうです

もっとも、アニサキスは人体中では1週間程度で死んでしまうので

虫を摘出できなくても対症療法だけで治るそうです


【アニサキスアレルギー】

アニサキスが寄生しているサバを食べると、このアレルギーをもっている人は反応します

なお、死んだアニサキスの欠片だけでもアレルギー反応はおこります

加熱食品や冷凍食品でもアレルギーを起こすことがあるので

このアレルギーをもっている人は注意が必要です


【細菌性食中毒】

細菌性食中毒の要因は多々あります

サルモネラ、腸炎ビブリオ、病原大腸菌、ブドウ球菌、ボツリヌス菌‥‥

数え上げたらきりがありません

自然界に元々存在するものなので、100パーセント防ぐことは不可能ですが

できる限り細菌が繁殖しないよう徹底した管理が必要です

細菌が魚に付着する経路としましては

先ず、魚自体に元々付着している細菌が繁殖し症状を誘発する

あるいはまな板や容器などの調理器具など外部からの付着

または細菌の多いものをさわった手で調理して付着するといったことが考えられます


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『無投薬のひむか本サバ』


いろいろな病気やトラブルが考えられる海という見えない中での魚の養殖事業

しかし安全安心を第一とし、ひむか本サバは無投薬での養殖に挑戦しています

しかしまだまだ大半の養殖場では薬が投与されているのが現状です 

その理由はいろいろとありますが、主に下記の理由があげられています


1、えさの残骸やふんなどが生けす内に残り、水質悪化による病気を防ぐため

2、魚同士がぶつかり合って体に傷がつき、細菌に感染しやすいため

3、小さな生けすの中で大量に飼育されるので、魚にストレスがたまるため

4、過剰にえさを与えられるのと運動不足で、脂肪が多く病気になりやすいため


現在は、えさに抗生物質や合成抗菌剤の混合は禁止されていますが

一匹でも病気になれば、いけす全体に薬を投与していいことになってます

処方せんや役所への報告も不要なので、事実上は自由に投与できます

しかし魚も大きくなれば、当然ながら免疫も強くなります

成魚になれば薬はほとんど必要としなくなります

常に薬を投与しているわけではありませんのでご理解を

但し、悪質な業者もいますので、信頼のおける業者やお店から買うことが肝心です

それに「休薬期間」が存在します

薬によって残留期間に差はありますが

水産用医薬品のほとんどが1日~1週間程度でほぼ残留は認められないようです

しかし抗生物質や合成抗菌剤のなかには

発がん性や催奇形性が確認された薬が含まれているのも事実です

ただ毎日食べるわけではありませんし

人間だって具合が悪くなれば薬を飲みます

あまり過敏になるのほうがかえって具合が悪くなりますよ

ほどほどにバランスよく、そして楽しく食べるほうが心も身体も健康的です

毒と思うか薬と思うかはあなた次第です

『天然物のサバは主に三種』


【マサバ】

さばといえばこのマサバ

しめ鯖やさば味噌なんかでお馴染み

秋から冬にかけてが旬

背中の青黒点の唐草模様が目印で、腹は銀白色

「関さば」や「松輪さば」や「金華さば」などがこのマサバです


【ゴマサバ 】

マサバによく似ていますが、体側に黒ゴマを散らしたような斑点があります

旬は春から夏

ゴマサバはもともと脂質が少ないので、一年を通してさほど味が変わりません

マサバより味が劣るといわれていますが

マサバの味が極端に落ちる春から夏にかけては重宝されます

「清水さば」や「屋久さば」などがこのゴマサバです


【ニシマサバ】

別名タイセイヨウサバ

背中の模様がはっきりしているので一目瞭然

ノルウェー産に代表される輸入のサバで

スーパーなどで売られている塩さばや〆鯖は大半が本種です
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by yataiti1gou | 2011-06-14 02:27 | さ行

さより

サヨリは遊泳能力が著しく乏しいため、ほとんど真っすぐに泳ぐことが出来ません

そのため外敵から身を守るすべとして、いつも群れをなして生活をしています

このことから多く集まるという意味の「沢寄り」が転じて「さより」となったようです

漢字で書くと、その細長い容姿から針魚や細魚とあてます

魚河岸では、小さなものをその細さからエンピツ(鉛筆)と呼び

大きなものをカンヌキ(門を閉める時、横に渡す棒)と呼びます


『か弱きゆえの恵み』

水族館の話によると、水槽の壁にぶつかっても曲がることが出来ずに前進し続け

あげくのはてには疲れはて、ポックリ死んでしまうそうです

また、とても警戒心が強く臆病なため、追われたり物に驚いたりすると

水面から2メートル近くも弧を描いて飛び上ることもあるそうです

とにかく繊細で飼育をするのがむずかしい魚のようです

ここまでか弱いのに毒を持たないのは不思議なくらいですね

この弱さゆえに養殖されることもなく

私たちはうまい天然の恵みを楽しめるのかもしれません

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腹黒い女性のことを「サヨリのような女性」なんて言ったりします

サヨリの腹を裂いたらおわかりいただけると思いますが

その光り輝くすらりとした外見からは想像も出来ないくらい、腹の中が真っ黒なのです

これは筋肉が半透明で光を透過しやすい魚によく見られる現象で

恐らく腹腔内に光が透過するのを防ぐ適応とみられます

同様に腹が黒いコイ科の淡水魚ハクレンは

成長に伴って食物が動物プランクトンから植物プランクトンに移行する時期

急速に腹が黒変することが知られています

この移行時期に強い日光を浴びると

消化管に取り込まれた植物プランクトンが光合成を行って酸素の気泡が発生し

消化管が膨れ上がって水面に腹を上にして浮かぶなどの障害が発生します

サヨリも後述のように成長に従って海藻も食べるようになるため

あるいは摂食した海藻の光合成を抑制する意味で腹の中が黒いと考えられます

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春の訪れと共に、2月から5月頃が最もおいしくなります

脂肪の少ない淡白な魚ですから、あまり手をかけずに仕立てるのが身上

軽く塩を振ってしばらくおくと、この魚の上品なうま味が一層増します

刺身のほか「昆布〆」やくるりと結んで「椀だね」に「天ぷら」

春先の澄んだ天日にさっと干した「干物」なんかは、お燗と出会い物

身が薄いので簡単にできますよ

ぜひ海水程度の塩水に10分程度つけ、ちょいと干してみてください

あじなどのめしのあてと違い、上品な旨味にぐっと酒がすすむ干物が出来ますよ
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by yataiti1gou | 2011-02-10 01:07 | さ行

里のいも


原産地は東南アジアで、日本へは稲作栽培よりも早く縄文時代に伝わったといわれています

山野に自生していたヤマイモに対し、里で栽培されることからサトイモといいます

近年は和食離れや農家の高齢化が進み、生産は減少傾向にありますが

さつま芋やじゃがいもが渡来する江戸時代までは、里芋が芋類の主流でした

もともと熱帯性の植物なので寒さには弱く、東北地方が栽培の北限です

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『おもな里芋の品種』

【石川早生(いしかわわせ)】
子いも用品種
石川芋などとよばれ8~9月の早い時期から市場に出回ります
淡白な味わいで、きぬかつぎによくつかわれます


【土垂(どだれ)】
子いも用品種
ころんとしただ円形で粘りがあります
関東ではお馴染みの品種で、一年中出回ります


【八つ頭(やつがしら)】
親子兼用種
親いもと子いもが分球せず、手のひら大の塊状になります
末広がりの八と、人の頭になるという名前の縁起をかついで、おせち料理に使われます

【たけのこいも】
親いも用品種
土の中から地上に頭をだしている形が、たけのこに似ているのでこの名前がついています
冬場に出回り、京いもともよばれます


【唐芋(とうのいも)】
親子兼用種
唐芋を土寄せして海老のよなう形に曲げて育てたものを(えび芋)といいます
棒タラと炊き合わせた京料理のいも棒に使う


『芋洗い』

皮が付いた、たくさんの里芋を水の張った桶に入れ

板でかき混ぜると里芋同士がぶつかり、皮が剥がれます

この作業を「芋の子を洗う」と言い

電車内での混雑などを「芋の子を洗うような」と比喩的表現に使うこともあります
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by yataiti1gou | 2010-11-24 00:48 | さ行

サワラ


サバ科の仲間でも特に前後に細く、ほっそりした体形から狭い腹の意味で狭腹『さはら』

「魚」偏に「春」と漢字で書くのは、瀬戸内で「春」がもっともサワラがとれる時期であることから

瀬戸内海周辺や関西で生まれたものでしょう

冬のものは特に脂が乗り「寒鰆」と呼ばれて珍重されます

身は、さほど赤くなく白身魚として取り扱われる事も多いですが、成分的に見ると赤身魚です

西京味噌に漬け香ばしく焼いた「西京焼き」が有名ですが

竜田揚げや吸い物など和食では用途が広い魚のひとつ

特に岡山県では刺身で食べるほか、酢の物やばら寿司など多用にサワラを好んで食べます

このために「サワラの相場は岡山で決まる!」なんてことをいったりします

北陸では昆布締め、香川ではサワラの卵巣を使ってカラスミなどもつくっているようですよ

以前は漁獲量の減少が顕著でしたが、漁業規制と放流、更に日本近海の水温上昇

それに伴う餌のカタクチイワシ増加が重なり、漁獲量は低位ながら回復傾向にあります


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山形は庄内から届いたサワラ

この山形の庄内浜は、海岸線が92㎞と隣の秋田県260㎞、新潟620㎞にくらべ

とても漁場が少ない浜ですが、温暖化の影響か前までは水揚げも無いような

サワラやマグロなどが漁獲されるようになりました

特にサワラは、平成19年には0.4tしかなかったのが、21年度は107t、なんと267倍です!

またマグロは3年前の35t、去年は70t近くと2倍近くに増えています

サワラはとても身割れしやすい魚で

網でとったものや雑にあつかったものは身がぼろぼろで刺身には出来ません

魚河岸にならぶ大半のサワラは

活け〆にもしていない、刺し網や定置網などの網もんばかりで

とても刺身でつかえるような代物ではなく、焼き物どまりでした

しかし近年、サワラの水揚げが増えた山形では

船上できっちり活け〆にして神経抜きをした完璧なサワラを

『庄内おばこサワラ』という名で出荷しています

鮮度、身質、あぶらのり、どれをとっても文句なしの極上サワラです!

今日は刺身にしますのでぜひお試しください
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by yataiti1gou | 2010-10-27 01:18 | さ行


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