やたいち日記


食材日記です
by yataiti1gou
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栃尾のあぶら揚げ

三百余年続くこの栃尾の名物あぶら揚げ

栃尾では現在20軒近くがこのあぶら揚げをつくっています

店によって味や風味に若干の違いがあり、焼くならこのうち、煮るならこのうち

なんて料理にあわせて店をかえるおっかさんもいるそうです

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とにかくでかいこのあぶら揚げ。なぜにしてこんなにでかいのか

それにはおおよそ二つ説があります

先ずひとつは、栃尾に火伏せの神様「秋葉三尺坊大権現(秋葉神社)」があります

秋葉神社は江戸の中期頃、今から想像もできないくらい隆盛を極めており

栃尾近郊はもとより、はるか佐渡や上州、会津などからも絶えず参詣の信者が訪れました

一説には宝暦8年、当時の秋葉神社の神官が

信者たちのために何か特別なお土産を考えるよう創始者に依頼し

創始者は江戸の豆腐屋さんで修行して、栃尾のあぶらげを創案したという説

もうひとつは、栃尾の馬市から生まれたという説

江戸中期、経済的発展に伴う農耕馬、運輸用の駄馬としての需要が急増し

牛市と並んで越後の三大馬市が栃尾と春日、そして椎谷で開かれていました

その際に、お客様であるお百姓さんと馬喰の間で商売が成立したとき

証文(契約書)代わりに酒を酌み交わしたそうです

その際の酒の肴に、手づかみで質朴豪放な彼らに合った

でかいあぶら揚げを作ったと言われています

きっと、濁り酒の入った茶碗を囲い

油揚げをわしづかみにし商談の成立を祝ったのかもしれませんね
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by yataiti1gou | 2010-11-28 11:10 | と行

走りの菜花と赤貝のぬた

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酢味噌のどろりとした見た目が沼田【泥深い田んぼ】のようなのでこの名がつきました

酢味噌と相性が良い事から、わけぎが定番ですが

これでないとダメということもない料理なので

季節のものを上手に使って楽しみましょう

ネギ類の他にも相性の良いものにラッキョウやニラ

春先でしたら野草のノビルやギョウジャニンニクなどの

「葷」の範疇となる植物は特に相性が良いです

そのほかさっと湯がいた青菜やイカにタコ、貝類なんかで歯ごたえを演出しても楽しいですね

肉でやる場合は、あまり脂のないあっさりしたものが良いと思います

たとえば鶏肉、鶏の部位でもささみや胸肉などさっぱりしたところを

さっと蒸して、ちゃちゃっと和える

ろくな魚介類が無くても、鶏でしたらわりかた手に入りやすいですよね

ぜひおうちでも酢味噌をつくって、良き晩酌をお楽しみくださいませ


『酢味噌のつくり方』

先ず味噌に玉子を練りこんだ玉味噌をつくります

このひと手間でぐっと違いがでます

玉子のコクが加わりまろやかになりますよ

玉味噌はいろいろなものに応用できますし

ちゃんと火が入っていれば数ヶ月は保存が利きますの少し多めにつくりましょう

ちょいと面倒ですが、こいつさえ作っておけば後で倍になってかえってきます


【材料】
■白味噌(西京味噌)・・・500g
味噌の味が決め手ですから、ぜひおいしい西京味噌を使ってください
■卵黄・・・3個
■砂糖・・・75g
■酒・・・・95cc


【用意するもの】
■こげやすいので、混ぜやすいよう少し大きめの鍋でつくりましょう
 テフロン鍋があると便利ですよ
■木べら


【作り方】
 
 火にかける前に白味噌と卵黄、砂糖をよく混ぜ合わせます
 卵をよく混ぜておかないと加熱した時、玉子だけ塊になるので
 火にかける前に完全に混ぜ合わせます


 酒を加え、弱火~中火で焦げないようにすばやく練り上げます
 木ベラでよく混ぜていないと、卵がダマになり易いので、底をこするように根気よく練ります


 次第に透明感が出てきます。30分ほど練り上げたら完成です


【便利な玉味噌の応用】

■玉味噌に、好みで和がらしと酢を少しつつ混ぜながら入れると酢味噌

■練りゴマ(黒)を加えて、もう一度火にかけ練り上げたらごま味噌
 割合は玉味噌:7 練りゴマ:3

■柚子の皮をおろし金ですり、混ぜると柚子味噌
 柚子は多めに入れましょう

■好みの具を入れ、しゃもじにぬってさっとあぶれば焼き味噌

■魚などに軽く塩をして味噌に漬ければ西京漬けです

これで日曜日は玉味噌作り決定です!

これからの季節

あつあつのふろふき大根に柚子味噌なんかつけて一杯やったらもう最高ですよ!
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by yataiti1gou | 2010-11-25 04:09 | つまみ

天下取りの秘密

織田信長が普段に食していたと云われる献立に「天下取りの秘密」という一品がありました

それが焼きみそです

信長は焼き味噌が大の好物だったようです

戦国時代、味噌は大事なタンパク質とナトリウムの補給源として重宝され

戦にも非常食として携帯されていました

当時の焼き味噌は、しゃもじや薄い板に味噌を塗り直火で焙っていたようです

粗食で有名な家康も「湯漬け飯」とともに「焼き味噌」を常食としていたといわれています

やたいちでは江戸ねぎと胡桃を入れた焼き味噌を定番でお出ししています

身体がボロボロのハードコアなお客様が多いので

当店では白味噌8に信州味噌2の割合で塩分控えめの甘めにつくっています

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『家康の焼き味噌事件』

三方ヶ原の戦いで、信玄に完膚なきほど叩きのめされ

三河譜代の家臣・夏目吉信、鈴木久三郎らが身代わりになって討ち死にするなか

家康は命からがら逃げ延びたという、三方ヶ原一帯に残る「家康敗走伝説」

このとき家康は、命からがら浜松城に逃げ帰る途中

疾走する馬上で糞を垂れ流しながら逃げたそうです

本人は気づいていなかったようですが、重臣の大久保忠世に見られてしまい

家康は、腰に付けて持っていた焼き味噌が

押しつぶされただけだと強がりをいったという逸話が残っています


「なんだバカ野郎!もらしてなんてねえよ」

「みそだよみそ!なっ味噌だろ」

「おい大久保、ちょっと食ってみろ」

なんて家康のことですから、こんな無茶を言ったかもしれませんね


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これは、そのとき描かせた徳川家康の肖像画です

「狸親父」と言われる家康には似つかわないこの一枚

その時の苦汁に満ちた表情を

自分の戒めのために絵師に描かせたのだそうです

おもらしした戒めじゃありませんよ

血気にはやって武田軍の誘いに乗り

多くの将兵を失った自分に対する戒めです

この後は熱くなった自分を抑えるため

この絵を見て自重したそうです
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by yataiti1gou | 2010-11-25 02:05 | つまみ

里のいも


原産地は東南アジアで、日本へは稲作栽培よりも早く縄文時代に伝わったといわれています

山野に自生していたヤマイモに対し、里で栽培されることからサトイモといいます

近年は和食離れや農家の高齢化が進み、生産は減少傾向にありますが

さつま芋やじゃがいもが渡来する江戸時代までは、里芋が芋類の主流でした

もともと熱帯性の植物なので寒さには弱く、東北地方が栽培の北限です

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『おもな里芋の品種』

【石川早生(いしかわわせ)】
子いも用品種
石川芋などとよばれ8~9月の早い時期から市場に出回ります
淡白な味わいで、きぬかつぎによくつかわれます


【土垂(どだれ)】
子いも用品種
ころんとしただ円形で粘りがあります
関東ではお馴染みの品種で、一年中出回ります


【八つ頭(やつがしら)】
親子兼用種
親いもと子いもが分球せず、手のひら大の塊状になります
末広がりの八と、人の頭になるという名前の縁起をかついで、おせち料理に使われます

【たけのこいも】
親いも用品種
土の中から地上に頭をだしている形が、たけのこに似ているのでこの名前がついています
冬場に出回り、京いもともよばれます


【唐芋(とうのいも)】
親子兼用種
唐芋を土寄せして海老のよなう形に曲げて育てたものを(えび芋)といいます
棒タラと炊き合わせた京料理のいも棒に使う


『芋洗い』

皮が付いた、たくさんの里芋を水の張った桶に入れ

板でかき混ぜると里芋同士がぶつかり、皮が剥がれます

この作業を「芋の子を洗う」と言い

電車内での混雑などを「芋の子を洗うような」と比喩的表現に使うこともあります
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by yataiti1gou | 2010-11-24 00:48 | さ行

秋といえば山の芋

『野趣あふれる大地の香り』

山芋の歴史は米の歴史よりも古く、縄文時代から食べられていました。

日本の古来種は山野に自生する天然の山芋【自然薯(じねんじょ)】で、

そのほかの山芋は外来種や、人の手で育てられている栽培種です。

近年は希少な自然薯も人の手で栽培されるようになり、ちらちら見かけるようになりました。

栽培種はまっすぐに育つようパイプに入れ、3年から4年かけピンとした棒状に育てます。

それに比べ自由奔放な天然もんは、まっすぐに育たないためイビツな棒状に育ちます。

天然もんと栽培もんの見分け方は一目瞭然、この形の違いにあります。


『おもな栽培種』

【長いも】
小売店でよく見かける棒状の山芋。
山芋市場の約2/3がこの長いもです。
中国原産で、粘りが少なく水気が多いため、とろろにはあまり向きません。
シャキシャキとした歯ざわりをいかした「山芋の千切り」などに向きます。


【いちょう芋】
平たく形がいちょうの葉に似ていることからこのように呼ばれています。
関東では「やまといも」と呼ばれ、なめらかで粘りが強く、とろろに最適です。
とろろとしてよく使われるので、とろろいもとも呼ばれます。


【つくね芋】
おもに関西で出回る品種で、ゴツゴツとしたこぶしのような形をしています。
栽培種の中では最も粘り気が強く、食味も濃厚。
もともと奈良に多く見られたことから関西ではこれを大和芋(やまといも)とも呼びます。
土質を選び、乾燥をきらうので、栽培が難しく産地が限られるため、あまり関東では見かけません。


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『漢方にもつかわれるほどの薬効』

山芋のねばりのもとはムチンです。

ムチンは胃壁の粘膜を保護し、たんぱく質を効率よく消化・吸収させる働きがあります。

これは麦とろごはんを噛まずに飲み込んでも大丈夫なぐらいのものです。

たんぱく質をしっかり吸収することで体力を補強できるため『山うなぎ』ともよばれ、

滋養強壮や疲労回復に大きな効果が期待されます。

漢方の世界では、山芋のことを「山薬(さんやく)」と呼び、

肺や腎臓などの働きを補い、糖尿病などに良いとされています。

とても胃にやさしく、胃炎を鎮めてくれるので、酒飲みには持って来いの食材です。


『小説でもお馴染みの芋粥』

芥川龍之介の小説では切った山芋をあまずらの汁で煮るとありますが、

現在はあまずらがちょいと手に入らないので、現代風につくってみましょう。

鍋にだし汁をひき、酒、味醂、醤油で少し甘がちのつゆをつくります。

自分は山芋のねばりが好きなので、切らずにすりおろし、とろろにして使います。

とろろをすりおろしたら、つゆを沸かしそこへとろろを入れ、軽く温めて出来上がりです。

もったりした素朴な味わいですが、なんともいえぬわびさびがそこにあります。

ぜひ、お時間のあるときにのんびりとどうぞ。


※あまずらとは、つる草の一種で茎からしたたる樹液を集めて煎じた、昔の甘味料です。
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by yataiti1gou | 2010-11-21 18:19 | や行

やたいちの由来

『居酒屋のはじまり』

徳川幕府が開かれ花のお江戸はまさに空前のバブル

地方から江戸に結集した若い労働力

血気多感な野郎どもの娯楽といえば今も昔も『飲む、打つ、買う』

汗を語りながら酒を流し込み、財産にぎりしめてチンチロリン、そして夜はギッタンバッコン

そんな時代に登場したのがやたいちの祖先『煮売酒屋』です

これは酒屋の片隅で、豆腐の田楽をつまみに一寸のませたのが始まり

これが野郎どもに馬鹿うけして

みるみるうちに人気に火がつき爆発的なブームとなりました

それに目をつけたのが野暮商人、飯だの肴だのあれやこれやといろいろ出して

今のような居酒屋に変貌していったという訳です

今でも江戸の流れを継いでいる、燻し銀の居酒屋が数店残っています

それは神楽坂の伊勢藤さんと鶯谷の鍵屋さんです

居酒屋とは何なのか、すべての問題がお燗とともにゆるゆると解けていきます

いろいろな店に、お勉強に行きましたが

伊勢藤さんを境に下心で呑み屋に行くことがなくなりました



『御田楽を略しておでん』

田楽とは平安時代、神社への奉納の舞として踊られていた「田楽舞」に由来しています

一本のみの竹馬のような道具に乗って舞を踊ったため

串に豆腐を刺して焼いた物を「田楽」と呼ぶようになりました

独身貴族の多かった江戸は、この時代から外食産業が多様に求められ

「早い、安い、うまい」なんて言葉が生まれました

そこで行商人、田楽を焼くよりも早く出せるから煮ておこうなんて始めたのが「おでん」

もはやうまいなんてどこ吹く風、生産性を優先したファーストフードってわけです

口がすべっても「うちのおでんはうまいよ」

なんて野暮なことを言わぬよう、いつも先代の思いを心に刻んで仕事をしています


『おでん屋のこだわり』

だしだの具だのは、地域によって進化をしているものですし

庶民のものですから、おかたいことはナシ

ただひとつだけこだわっている事があります

それはおでんに豆腐を入れる事と串を打つ事です

これだけは守らなくっちゃおでんが泣きます

すべては田楽から始まっている訳ですから


『豆腐の女房詞』

豆腐は白く平らなので壁に似ていることから

源義経の家臣「岡部六弥太」のおかべ(お壁)に掛けて

六弥太(ろくやた)と豆腐を呼ぶようになりました

これは旦那衆にうまいもんを食いに行くのがばれないよう、奥様がたがつくった隠語です

「たまには贅沢にランチしましょ」なんて旦那の居ない隙に

こっそりフレンチを食いに行く、奥様なんかと一緒です

いつの時代でもかわらないもんなんですね


『六弥太にお銚子一本』

六弥太にお銚子一本。訳して弥太一

ビールもない江戸時代、呑み屋に行けば黙ってても出てくるのがお銚子

そいつを豆腐で一杯やる。それが『やたいち』です

うちの店でお通しに豆腐を出しているのは、『居酒屋原点回帰』の気持ちからです

昔から続く日本の居酒文化を伝えられるようにと願ってそうしました

周りも見ずに突っ走ってきた十数年

そろそろ、見過ごしてきたものや我が人生をもう一度見直そうと思います

流行に流されず、時代に流されず
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by yataiti1gou | 2010-11-17 06:13 | そのほか

青森のムール貝

和名はムラサキイガイ。

紫女性の性器に似ていることから「ニタリガイ」や「ヒメガイ」なんて卑猥な呼ばれ方もします。

原産地は地中海周辺やヨーロッパ。

船の船底に付着したり、幼生がバラスト水に混入するなどして、

世界中に分布を広げ日本にも移入してきたました。

1920年くらいから神戸港で見られ、繁殖力が強く汚れた海でも繁殖出来るため、

その後急速に全国に広がっていきました。

港や防波堤でもよく見ることがありますが、

汚染された海域の場合は中毒を起こす可能性があります。

くれぐれもそこらでとった貝は召し上がらないようご注意くださいませ。

産卵期である4月から6月にかけてが特に貝毒が発生しやすいので要注意です。

商品として店で売られているものはきれいな海域で養殖したもので、

検査体制が確立しているため安心です。

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カキ養殖では、このムラサキイガイがカキに付着し、カキの成長に阻害をきたすのを防ぐため、

ムラサキイガイの産卵期 4月~ 6月をはずしたり、

水深1m以深に深吊りすることにより、ムラサキイガイの付着を防ぐ対策をとる事もあります。

カラの隙間から足糸(そくし)という糸を出し、岩などにカラを固定して生活します。

足糸は非常に強靭で接着力も強いため、水中接着剤開発のための研究対象にもなっているそうです。

この貝は、他の多くの二枚貝類と同様に濾過摂食で、

海中のデトリタスやプランクトンを食べて生活しています。

糞や食用にされなかったゴミは粘液でまとめられて体外に出されて沈殿するため、

他の濾過摂食型貝類と同様に懸濁物の多い水を透明にする働きがあります。

この点から新たな水産資源であるとともに、水質浄化の試みも行われ始めました。

横浜市環境創造局が水質浄化実験のため海の底にこの貝を沈めています。

スウェーデンに関しては、すでに環境改善のために養殖を始めています。

食材としては、元々日本には生息しない貝でもあり和食ではあまり利用されてはいませんが、

ヨーロッパ料理を中心にした外食産業での需要は、養殖の成功にともない徐々に増え始めています。

瀬戸内海では「瀬戸貝」として炊き込みご飯などにされているようですよ。
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by yataiti1gou | 2010-11-17 00:32 | む行

復活した厚岸の地ガキ『カキえもん』

厚岸(あっけし)という北海道の地名は、アイヌ語で「カキがたくさんいる所」という意味で

昔はたくさん厚岸の在来種である天然のカキがとれました

しかし明治年代の乱獲や環境の変化で、そのほとんどが絶滅し

近年は、宮城県産のカキの稚貝を持ってきて養殖しているのが現実です

近年、厚岸町では「厚岸生まれの厚岸育ち・純厚岸産カキ」の復活に取り組み

並ならぬ苦労を重ね、純厚岸産の「地ガキ」の養殖に成功しました

そのカキを平成16年10月1日『カキえもん』と命名し初出荷しました

明治末に天然カキが枯渇したゼロの状態から、サロマ湖や宮城県の種苗によって徐々に回復し

この純厚岸産カキ「カキえもん」の復活までに100年近くの歳月が流れました


『日本初の養殖法、シングルシード』

カキの一般的な養殖方法は

たくさんの帆立の殻をひもでつないだ「採苗器」を海中につるす「垂下式」

一枚の殻に複数の稚貝を採苗させて育てます

ぎっしりついたカキの柱みたいになります

量産できる一方、ぎっしり着きすぎたり水深の違いから、えさが食べずらい固体が出てしまうため

身の大きさに個体差が生じてしまいます

一方厚岸町で行われている「シングルシード」という養殖方法は

オーストラリアの養殖法で、網かごの中にカキの殻を細かく砕いてまき

破片にカキを採苗して育てます

一般的な束にして吊るす養殖法とは違い、一粒一粒が単独で自由にかごの中を動きまわり

えさをまんべんなく食べることができます

ころころと転がりながら育つため、殻が深くぷっくりと身が厚くなり

身締まりも良く、貝柱が大きくなります

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ひと昔前の厚岸では、宮城県産の稚貝を浅瀬にまく

農業のような「地まき式」という方法で養殖されていました

今でも厚岸湖には「地まき式」の名残、カキで出来た島「牡蠣島」が干潮になるとみられます


『カキの生食用と加熱用の違い』

政府が決めた、海域の水質によって区分されています

決して鮮度の良し悪しではありません

加熱用は栄養分が豊富だがプランクトンが多く食中毒を起こす可能性が有る海域で育ったカキです

栄養分の多い海域で育つので産地によるが生食用よりも身が大きく、うまいものがあります

市場の約五割は、広島産です

生食用は紫外線を照射した殺菌海水で48時間休ませ

その間絶食状態にすることで無菌状態にします

安心して食べられる一方、絶食状態にすることで残念ながら多少身が痩せてしまいます

加熱するのなら、一等品の生食用カキでない限り加熱用のほうがうまいです


『世界でも最も愛されている貝』

古来からの和名は「おかきのかい」あるいは「かき」で

密集している貝を掻き取ることが語源と考えられています

日本人がカキを生で食べるようになったのは、欧米の食文化が流入した明治時代以降の話で

それまでは生で食べませんでした

生食文化が欧米から逆に輸入された珍しい食材でもあります

縄文期から食べられていたカキですが、鉄器がまだなかったその時代、カキはゆでるか

焼いた石を敷いた穴の中に入れ、蒸して殻を開けたと考えられています

古代人が好んだ牡蠣は日本だけに留まらず

魚介類を生で食べる習慣のないヨーロッパでも昔から生で食べられています

かのフランス皇帝ナポレオンも牡蠣が大好物で、戦場で牡蠣を山のように食べたとか

ローマの英雄ジュリアス・シーザーにいたっては、イギリス海峡に侵攻したのは

テムズ河口で採れる良質の牡蠣が目当てだったなどと言われています

その他にもバルザック、リンカーン、、日本では武田信玄、瀬山陽などの歴史上の人物や英雄たちが

牡蠣を好物にしていたことが、今に語り継がれています
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by yataiti1gou | 2010-11-16 02:43 | か行

芝えび


秋から春にかけて連日のように河岸に入荷してきます

クルマエビ科に分類されるエビの一種で、水深10-30mほどの内湾に生息し

夜は海底付近を泳ぎ回り、貝類や他の甲殻類を捕食する肉食性

昼は砂泥に潜伏しています

シバエビという和名はかつて東京の芝浦で多く漁獲されたことに由来します

しかし今や埋め立てや汚染などの理由から東京湾ではとれなくなってしまいました

今の主要な産地は主に九州各県です

余談ですが

エビ好きの日本人はなんと世界の漁獲高の4分の1以上にあたる年間30万トンを消費しています

これは国民一人あたり年2.5kgのエビを食べていることになります

うちの店にも海老をえさにしている豚を飼っています


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芝海老といえばやっぱりかき揚げ

余計なものは入れず、きっちりそうじした海老だけで揚げるのが粋

この海老のやわらかなあま味を存分に楽しみたいものです

今ではなかなかお目にかかれませんが

昔の江戸前の寿司屋では卵焼きに芝海老のすり身を入れ、ひと仕事した玉子焼きを焼いていました

とにかくこの海老、江戸前の食文化を語るうえで外すことの出来ない素材のひとつです

もし頭つきの芝海老をゆでることがありましたら

そのゆで汁に塩をひとつまみして飲んでみてください

これがまたいい具合にうまい!間違えてもお捨てにならぬように


『ありがたい栄養素』

生活習慣病に効果があるとされるタウリンが豊富で

血中コレステロール濃度を低下させ、動脈硬化の予防に効果があります

亜鉛や銅といった一般の食材からは摂取しにくい栄養成分も豊富に含んでいて

タンパク質が多い割りに低脂肪であるためダイエット食材としても最適です

同じ美容という面ではコラーゲンも豊富に含まれ

美肌効果が高い食材としても近年注目されています
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by yataiti1gou | 2010-11-11 01:04 | し行

御前崎の生しらす

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シラスは

片口いわし(煮干やめざしなどでお馴染み)の稚魚

このしらすの旬(漁期)は、3月から11月まで

しかし最近は冷凍技術の進歩にともない

急速冷凍された生食用の生しらすが

少ないながら年中出回ります

ですがその日に揚がった

本チャン生しらすには到底およびません

生で食べるのであれば

やはりその日のものを選びたいですね

ご存知、乾きもんのたたみいわしは

この生しらすを木枠に貼った目の細かい網で

漉いて天日干ししたものです


『加工の違いで呼び名が変わるしらす』


釜あげ    しらすを塩水で茹でて、ざるなどに上げて冷風で粗熱をとっただけのもの
        日持ちは1〜2日


しらす干し  しらすを塩水で茹でて、ざるなどに上げて冷風で粗熱をとり
        水分60パーセントほどに干し上げたもの
        日持ちは7日前後 


ちりめん   しらすを塩水で茹でて、ざるなどに上げて冷風で粗熱をとり
        水分40パーセント前後に乾燥させたもの
        日持ちは5〜10日


『まぎらわしいシラス、シラウオ、シロウオの違い』


【白魚(シラウオ)・・サケ目、シラウオ科】

サケやマスの親戚にあたり、産卵のため早春に海から川に入りこんできます

体形は美しい流線型をしていて、体長は10cmほどであきらかにシラスよりでかい

生きている時は半透明ですが、茹でると白くなるのでシラウオと呼ばれています

みやげもんやに行くと「志ら魚」と包装紙に書いてあるのですが

昔から高級魚として、ご進物用に使われることが多かったため「志」という字が当てられているのです

今では考えられませんが、江戸時代には隅田川でも白魚がよく獲れたそうです

船から水面を見ると白魚の頭が透けて見え

その脳の形が徳川将軍家の紋章「葵のご紋」の形にみえることから

家康が「葵の紋がついた魚がとれるとは、万代の吉兆である」と喜び

白魚は毎年、朱塗りの箱に収められ箱の表に「御用白魚」と金文字でしたため

黒塗りの挟み箱に入れて、数人でかついで運んだそうです

挟み箱には、これまた「御本丸御用」と朱書きし、きわめて丁重に扱われ

この挟み箱を持参するものは大名行列を突っ切ってもとがめられなかったそうですから

いやはや白魚とは凄い魚だったのですね


【素魚(シロウオ)・・スズキ目、ハゼ科】

ハゼの仲間で、ハゼ独特の吸盤状の腹ビレがあります

この魚独特の楽しみ方といったらなんといっても「おどり食い」

生きたシロウオを大きなドンブリ鉢に泳がせて

すくってウズラの卵を落とした三杯酢でつるりとやる

体長は4cm程で、春先に産卵のために川に上るものをとるため

躍り食いは春の風物詩となっています


【白子(シラス)】

カタクチイワシ(片口鰯)の稚魚です

上記でもふれましたが、しらすおろしやたたみいわしで酒のみが一番世話になってる魚です

また、他の魚でも半透明になっている稚魚全般を一括して「シラス」と呼ぶときもあります
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by yataiti1gou | 2010-11-10 02:57 | し行


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