やたいち日記


食材日記です
by yataiti1gou
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あんこう

あんこうは江戸時代、※「三鳥二魚」と呼ばれた五大珍味のひとつで、昔から君臨する高級食材

アンコウ科は 25 種ほどが確認されていますが

日本では、キアンコウ(ホンアンコウ)とアンコウ(クツアンコウ)が主な食用種です

凶暴な肉食性で、頭の上にあるアンテナのような突起を動かして獲物をおびき寄せ

何層にもおよぶ鋭い歯と、体の幅ほどもある大きな口で、一気に獲物に食いつきます

こんなのに食いつかれた方はたまったもんじゃありません

あまりの食欲に深海魚なのすら忘れて海面へ浮上し

海鳥まで襲うってんだから筋金入り

驚く事に腹の中にカモメやウミガラス、ペンギンまでが入っていたなんて報告もあるってからびっくり

さらに極め付けが、メスの胃袋から無残な姿でお出ましするオスのアンコウ

これは産卵時期に限った話ですが、この時期になるとおつとめが終わった小さなオスは

余韻にひたる間もなく、いきなりメスに丸のみされてしまうそうです

これが究極の愛のカタチなのでしょうか

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日本では、アンコウ漁は産卵を終えた7月から8月が禁漁となっています

旬は肝がでかくなる11月から2月

春先は産卵の時期となり肝が小さくなるため、価値は一気に下がります


『あんこうといえば鍋ですが』

柳肉(身肉)の他に、皮、水袋(胃)、キモ(肝臓)、ヌノ(卵巣)、えら、トモ(ヒレ)

これが俗に言う「七つ道具」 です

鍋にはこのすべてが入りますよ

東京では鰹と昆布でとった出汁にみりんとしょうゆであたりをつけ、あっさりと炊きますが

茨城県では肝を鍋で空煎りし、野菜とアンコウを豪快に入れ

だしは入れずにそれらの水分と味噌だけで炊きあげます

これが酒飲み御用達の「どぶ汁」

体全体の約80%が水分であるこの魚ならではの豪快な漁師鍋です


水戸が発祥のあんこう料理『友酢』

湯がいた身や皮、胃袋などをあん肝をすり混ぜた酢味噌を付けて食べる友酢

これはチンタラ飲むにはもってこい

鍋のようにあおられる心配はご無用

食うか飲むか、その日の客人にあわせて料理を使い分けるのもひとつ

それにしてもうまかったな

福島の漁師の家で食った友酢

あっという間に酒がなくなったっけか

もう10年も前のことですが

あの味が脳裏に焼きついてはなれません

あんこうといえばやっぱり友酢

燗でもつけてちびりちびりと




※「三鳥二魚」とは江戸時代にいわれた五大珍味、雲雀・鷭・鶴・鯛・ 鮟鱇 のことです
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by yataiti1gou | 2011-02-24 03:50 | あ行

さより

サヨリは遊泳能力が著しく乏しいため、ほとんど真っすぐに泳ぐことが出来ません

そのため外敵から身を守るすべとして、いつも群れをなして生活をしています

このことから多く集まるという意味の「沢寄り」が転じて「さより」となったようです

漢字で書くと、その細長い容姿から針魚や細魚とあてます

魚河岸では、小さなものをその細さからエンピツ(鉛筆)と呼び

大きなものをカンヌキ(門を閉める時、横に渡す棒)と呼びます


『か弱きゆえの恵み』

水族館の話によると、水槽の壁にぶつかっても曲がることが出来ずに前進し続け

あげくのはてには疲れはて、ポックリ死んでしまうそうです

また、とても警戒心が強く臆病なため、追われたり物に驚いたりすると

水面から2メートル近くも弧を描いて飛び上ることもあるそうです

とにかく繊細で飼育をするのがむずかしい魚のようです

ここまでか弱いのに毒を持たないのは不思議なくらいですね

この弱さゆえに養殖されることもなく

私たちはうまい天然の恵みを楽しめるのかもしれません

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腹黒い女性のことを「サヨリのような女性」なんて言ったりします

サヨリの腹を裂いたらおわかりいただけると思いますが

その光り輝くすらりとした外見からは想像も出来ないくらい、腹の中が真っ黒なのです

これは筋肉が半透明で光を透過しやすい魚によく見られる現象で

恐らく腹腔内に光が透過するのを防ぐ適応とみられます

同様に腹が黒いコイ科の淡水魚ハクレンは

成長に伴って食物が動物プランクトンから植物プランクトンに移行する時期

急速に腹が黒変することが知られています

この移行時期に強い日光を浴びると

消化管に取り込まれた植物プランクトンが光合成を行って酸素の気泡が発生し

消化管が膨れ上がって水面に腹を上にして浮かぶなどの障害が発生します

サヨリも後述のように成長に従って海藻も食べるようになるため

あるいは摂食した海藻の光合成を抑制する意味で腹の中が黒いと考えられます

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春の訪れと共に、2月から5月頃が最もおいしくなります

脂肪の少ない淡白な魚ですから、あまり手をかけずに仕立てるのが身上

軽く塩を振ってしばらくおくと、この魚の上品なうま味が一層増します

刺身のほか「昆布〆」やくるりと結んで「椀だね」に「天ぷら」

春先の澄んだ天日にさっと干した「干物」なんかは、お燗と出会い物

身が薄いので簡単にできますよ

ぜひ海水程度の塩水に10分程度つけ、ちょいと干してみてください

あじなどのめしのあてと違い、上品な旨味にぐっと酒がすすむ干物が出来ますよ
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by yataiti1gou | 2011-02-10 01:07 | さ行

五島からの太刀魚

タチウオの語源は銀色で長く太刀に似ているからという説と

餌を狙って海中を立ち泳ぎするからという説があります

一見、細長い体からハモやアナゴなど、長物のようにも見えますが、意外いや意外「サバ」の仲間

この魚はウロコがなく、その代わりに全身が銀色に輝くグアニン質という層で覆われています

釣れたばかりは、金属の様な眩いばかりの光沢を放ちますが

死後、時間がたつにつれ、くすんだ鈍い銀色となります

体表をさわっただけでも、すぐに剥がれてしまうこのグアニン層から銀粉を採り

かつては銀箔や模造真珠、マニキュアに入れるラメの原料として使われていました


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『独特の測り方』

この魚の大きさは独特の測り方をします

魚体の幅を指の本数で表現するんです

今回入荷した太刀魚は指5本!

通常3~4本程度なので

「こりゃいいね~」という事になります

釣り師の間では

5本以上の見事な型を

龍に譬えドラゴンなんて呼んだりします

ちなみに余談ですが

中国は福建省で前代未聞の全長4.6m

重さ7.3kgのタチが水揚げされたそうです

魚河岸に出回る多くは1mちょいと考えると

もはやドラゴンを超え、ばけものですよね


『仕事のしたくなる食味』

この魚は何をしてもうまいですが、なんたって塩焼きが一番!

もちろん鮮度が良ければ、刺身もうまいですよ

皮に旨味があるので、刺身にする時はぜひ皮のついたまま「銀皮造り」でどうぞ

お燗なんかとあわせるなら、さっと皮をあぶってから刺身にしたら最高です

そのほか変わったところでは、和歌山の有田市あたりでつくられている

骨ごとすりつぶして揚げた「ほねく」と呼ばれる揚げかまぼこ

また、太刀魚をくるりと竹に巻いて香ばしいたれで炭火焼きにした

愛媛県は宇和島の「太刀魚巻き」なんてのもあります

最後にひとつ、気をつけたいのが『鋭利な歯』

釣り師ならご存知と思いますが

ちょいと触れただけでもすっぱり切れる犬歯のような鋭い歯があります

調理の際はくれぐれもご注意を


『あいまいな旬』

旬は産卵期と重なります

産卵は海水温の影響を受けやすい事や生息域が広い事から、産地により旬は夏から秋と長い

しかし、五島列島周辺の漁場もんは例外で

2月から4月にかけ、旬に劣ずの脂が乗ったいい太刀魚が漁獲されます
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by yataiti1gou | 2011-02-06 03:23 | た行

メバル

大きく張り出した眼に由来するメバル

漢字で書くと『目張』となります

春告げ魚(はるつげうお)なんて雅称でも呼ばれます

旬は産卵が始まる春から初夏

鮮度が良ければ刺身もうまいのですが、やはりメバルといえば『煮付け』

身離れもよく、旬も本番になると多少脂ものり

キンキやキンメに負けず劣らずの煮付け三大巨頭です

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メバルには多型があり、分けられたり統合されたりと常に議論されています

今日の日本の魚類図鑑では

住んでいる場所で色が違うだけとメバルは1種類と記載されていましたが

2008年8月に日本魚類学会の英文機関誌 "Ichthyological Research" で

京都大学の甲斐嘉晃・中坊徹次らによって

DNA解析した結果、3種に分類できるという事が発表されました

関東でメバルといえば写真の「アカメバル」ですが

他に2種、釣りではお馴染みの「シロメバル」と「クロメバル」がいます

今まではこの3種は色違いで同一種とされていましたが

この研究で、近縁ではあるが異種という結果になりました

普通の人にはなんのこっちゃ関係もないことですが

これは図鑑や専門書などの通説をひっくり返すなんとも今更な事件簿でした


【メバル釣り】

昔はよく、真冬の夜中に茨城へ車を飛ばし、寒い港へメバルを釣りに行きました

それが、ひとっこひとりいない真夜中の港なもんだから、なんだか気味が悪くて

船と船がこすれて「ギギギギーッ」なんて、イヤ~な音をたてるんです

気味がわりいなって思い始めるともうパニック

船に人影が見えたような気がしたり

仕舞いには海の中から手が出てくんじゃねえか、なんて『あなたの知らない世界』が始まっちゃう

でもよくもまあ、あんな不気味な夜の堤防に通ったもんです

そんな事も忘れるぐらいやっぱりメバル釣りは楽しいんですよね

この魚は、かわいいオメメに似合わず獰猛で、目の前に動く物がくるといきなりアタックしてきます

しかし糸を見破るぐらいとても視覚が発達していて、しかも警戒心が強い

同じ誘い方をしていると、すぐに見切って食いが落ちます

あの手この手で、えさを変えたり誘いを変えたり

船のヘリを攻めたり、潮の満ち引きなどを調べたりと

とにかく釣り上げるために、いろいろと作戦を練って攻めていくわけなんです

まさに戦略ゲームです

よく時間を忘れ朝まで興奮し、竿を振り続けたもんです

最近はもっぱら船で沖合いまで行っちゃうので、港や堤防でやることが少なくなりましたが

なんだか書いているうちにおかっぱりが恋しくなりました

近くのんびり港周りでも攻めてみます

最後にひとつ、釣りの時に注意をしたい「毒」について

オニオコゼのような強い毒こそありませんが、有数の水揚げを誇る東北地方では毒魚として知られ

不用意に握ると背びれが刺さり、わずかですが腫れる事があります

ご用心を


【めばるの煮付け】

メバル: 2匹

調味料
日本酒: 300cc
みりん: 50cc
醤油: 50cc
砂糖: 25g
水: 150cc
※日本酒:水:醤油:みりん:砂糖=6:3:1:1:0.5 の割合

調味料をさっと沸かしアルコールをとばしたら魚を入れ、落し蓋をして強めの中火で煮るだけ

簡単にして最高の煮付けが出来ますよ
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by yataiti1gou | 2011-02-01 01:29 | め行


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