やたいち日記 |
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冬の味覚といえばなんたってネギ。
薬味にして辛味を添えたり、ちゃちゃっと湯がいて酢味噌であえたり。 焼いたって鍋に放り込んだって、とにかくうまいのがこの季節のネギ。 今回は、そんなネギの中でも一風変わったものを見つけたのでちょいとご紹介いたします。 通常、ネギと言うと長ねぎや青ねぎを思い浮かべますが、 山形の酒田市(旧・平田町)飛鳥、砂越、楢橋地区では、 写真のようななんとも色鮮やかな赤いねぎを栽培しています。 国内では他に茨城と広島の2ヶ所しかつくられていない、とても珍しい『赤ねぎ』というねぎです。 通常の白い長ねぎは、栽培に要する期間が六ヶ月程度なのに対し、 この赤ねぎは収穫までに倍以上の十四ヶ月もの栽培期間を要するため、 味の良さが認められつつも市販されるまでの収量には至らず、 農家が自家用につくる程度の在来野菜でした。 しかし、栽培技術の改良と直売所や組合の努力が実り、現在では少しづつ栽培量は増えています。 本来、平田の赤ねぎは「仙台曲がり葱」同様に、 斜めにネギを定植させる栽培法のため湾曲した形状をしていましたが、 首都圏や県外などに出荷するものは、流通の効率化や見てくれの観点から、 畝(うね)を高く盛り上げ、根から茎までを土で覆ってまっすぐに育てているそうです。 江戸時代末期、山形の母なる川『最上川』は、日本海と内陸部の経済や文化の交流を担い、 お米や紅花などを積み込んだ「小鵜飼船」が上り下りしていたそうです。 ある時、平田の船着き場に舟運で大層な難儀を強いられた船乗りと上方商人が立ち寄り、 湧き水を飲ませてもらったお礼にと、赤ねぎの種を置いていったのが伝来といわれています。 当時、赤ねぎは薬用としても貴重なもので、ねぎ味噌を熱湯に溶いて風邪薬として飲んだり、 擦り込んだ赤ねぎを痛み止めとして患部に張り付けていたようです。 ねぎ特有の匂いは、消化液の分泌を促す働きがあり、辛味成分は発汗作用を促します。 食べることにより、内側から体を温めるため風邪に効果があるというわけです。 赤ねぎは、通常の長ネギに比べてビタミンCの含有量が多いこともお姉さま方には利点、 他にも鼻づまり、下痢、下血、リウマチ、乳の出をよくするなんて働きもあるそうですよ。
by yataiti1gou
| 2012-01-26 00:55
| あ行
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