やたいち日記 |
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櫻正宗は灘五郷の一つ、魚崎郷に酒蔵を構える創業四百年の老舗中の老舗蔵 かつては伊丹が摂津の代表的な酒どころでありましたが、幕府が江戸に移って以降 伊丹よりも江戸までの運搬が2~3日短縮可能な灘地区が 江戸時代中期以降、上方酒の主流となり栄えました さらに灘の酒が名声を欲しいままにした決定的な理由が「西宮の水」の存在です やがて略され「宮水」と呼ばれるようになったこの水は 酒造りに適した成分(カルシウム、カリウム、リン)などが多く含まれた硬水で これらの成分が麹や酵母の栄養分となり酵素の作用を促進します また酒造りの水には少量の塩分の含有が好まれていますが、この宮水にはその塩分も多いのです 逆に酒の色や味の仕上がりを悪くする鉄分は 一般的な水の鉄分含有量0.02ppm程度にたいし、宮水は0.001ppmと少ないのです 灘の酒蔵は競ってこの地の水を使うようになりました しかし井戸を掘っても同じ水脈に当たらない酒蔵もあったようです そのため、造り酒屋でなくても井戸を掘れば同じ味の水が出る地域の農民らが井戸を掘り そういう酒蔵に宮水を売る「水屋」といった西宮特有の商売もうまれました この一大旋風を巻き起こした「宮水」を最初に発見したのが なにを隠そうこの蔵の六代目、『山邑太左衛門』であったと言われています 特筆すべきは、明治39年には醸造試験所の技師の高橋偵造によって 櫻正宗酒母から分離された櫻正宗酵母が 日本醸造協会より“協会一号酵母”として全国の酒蔵に頒布されたことでしょう 『江戸期に流行った名前の由来』 先代が山城国深草の「元政庵」を訪ねた時 机の上に置かれてた経典に「臨済正宗」の文字を見つけ 正宗(セイシュウ)が清酒(セイシュ)に語音が通じる事から「正宗」を酒銘としたようです 当初はセイシュウという読みが正しい読みでありましたが マサムネという読み名で親しまれていたため、マサムネという酒銘が定着しました 櫻正宗以外にも菊正宗や山形正宗など 今日においても全国的に多く見られる「~正宗」という酒銘は、江戸期の流行だったようですね #
by yataiti1gou
| 2010-10-22 16:31
| 日本酒
滝つぼの右側になにか顔のようなものが! なんて写真じゃありませんよ 先週の休み、目覚めも良かったので少し足をのばして日光に紅葉狩りに行ってきました 赤や黄色と山も色付き始め秋も本格化 休日は海で過ごすことが多いですが、山もいいもんですね 小僧のころは毎年恒例で日光に家族旅行へ行っていたので、なんだか懐かしい景色でした そのころは日光駅に着くと、必ずその足で寄るそばやがありまして ズルズルとひっちらかしながらよくそばをすすったもんです でもまさか25年も前の話、もう在るわけねえかと思いながらも 微かな記憶をたよりにちょこっと探検してみました すると昔のままのたたずまいであるじゃありませんか! 抑えきれない興奮を胸に、震える手で戸をおそるおそるあけてみました すると不気味な婆さんが出てきて、ばんげにけれーとおかしなことを言っておっかいされちゃいました 25年ぶりの再会、まさかの崩壊 複雑な気持ちを胸にモヤモヤと華厳の滝へ 華厳の滝に着くと、すいとんの出店 ちょっと一杯いただいたのですが、またそれがうまいのなんの 少しあまいしょうゆ味できのこやら大根やら具が盛りだくさん やさしいその味わいに、疲れた胃袋も元気になっちゃてついつい『おかわり!』なんて調子こいたら えって顔されたもんで 『いやそのくらいうまかったってことよお!』 なんて小粋な捨てぜりふを心の中でそっとはいて華厳の滝へむかいました 確かにひとりですいとん二杯も食って華厳の滝に行きゃあ 『まさかあの人!』なんてヘンに思ったのかもしれませんね 滝を見た後、店の前をとおり 『恥ずかしながら帰ってまいりました!』 と心の中で往年のギャグを一発かまし無事を伝えて本日の紅葉狩り終了といたしました #
by yataiti1gou
| 2010-10-20 04:04
| そのほか
浮き袋を使ってググっと鳴き愚痴を言っているようなので、関西では『グチ』ともよばれています。 頭部に1cm程度の炭酸カルシウムで出来た石(耳石)があるので『石持』と書き、 東京湾での釣り物としても人気の魚です。 内湾などのやや沖合い、砂泥地に生息しています。 すり身にすると粘りが出るので、かまぼこやさつま揚げの原料として重宝されていますが、 水分がとても多い魚で日持ちはしません。 釣りかなんかで大漁の時は干物にするといいですね。 どこか磯の香りがしますが、身はクセがなく基本的に淡白。 卵がとてもうまいので、煮付けるといい酒のあてになりますよ。 鮮度落ちが早いのであまり刺身じゃ出てきませんが、釣りに行くことがあれば刺身もお試しください。 上品な味わい故、酒を選びません。 昆布締めなんかにすると身の水分も抜け、キュッとしまりさらに一杯酒がすすみますよ。 #
by yataiti1gou
| 2010-10-16 17:27
| い行
名前の由来は 茹でた時にシャクナゲの花に似た 紫褐色になることから 産卵期は初夏で この時期の卵を持ったメスを 「かつぶし(鰹節)」といって珍重します 卵は濃厚で酒を飲むのを忘れるほどうまい! 東京湾や瀬戸内などが有名な産地ですが 近年は漁獲量が激減しています それに変わって登場しているのが北海道石狩湾産 北海道のシャコ漁はニシン漁が激減したため それを埋め合わせるように始まりました 『外国からの冷凍品も』 近年は冷凍技術も格段に向上し、外国からも大量に入ってきています 何だかわからない生のものよりよっぽど良い冷凍品もあります ですがこのシャコだけは、冷凍もんは食えたもんじゃありません とりあえずシャコってだけで猫のえさにもなりゃしない 冷凍によるドリップで旨味はぬけ食感はボソボソ 生のゆでたてのシャコとは天と地の差があります 夏場の瀬戸内海や北海道に行くことがあれば、そのときの楽しみにしたいものです やっぱりシャコは産地で食うに限ります 話は変わりますが、江戸前寿司で「シャコといえば神奈川の小柴」といわれたぐらい 東京湾有数のシャコの産地だった柴漁港は 漁獲量が激減したため、2007年3月に県が止む無く禁漁を決めました 漁業者が自主的に休漁した期間も含めると、3~5年操業がありませんでした しかし今年の5月16日からうれしいことに操業日数などを制限した上で再開しました! 『天にものぼるこの旨さ』 姿をみて気持ち悪いと毛嫌いする人もいますが こんなに旨いもんを食わずして嫌うとはなんとももったいない話 カニやエビよりも数段うまいですよ! ぜひ一度おためしくださいませ #
by yataiti1gou
| 2010-10-08 17:17
| し行
はたはたを漢字で書くと、魚へんに神で「鰰」
これは海が荒れ、雷鳴とどろく時にとれる事から、雷光の古語〈はたはた神〉からきています 荒波の中で獲りにいくことが多いから「波多波多」と書くこともあります 冬の日本海の雷は特有で、海の熱と冷たい季節風による大気の乱れで発生し 風雪をともなった雷が鳴り響き、海が荒れて海水温が下がると 産卵のために250mの深海から浅場へ一気に接岸し、海藻に卵を産み付けます どんな魚でも同じですが、早い時期に水揚げすれば初物として高く売れるため 海がかなり荒れているなか出漁し、悲しきかな亡くなる漁師も多かったそうです。 ハタハタの魅力は、まるで口の中で踊っているかのような弾力ある身の食感 そして独特な卵にあります 昔、水戸の藩主であった佐竹公が秋田に国替えになったとき ブリの料理で正月を迎える習わしでありましたが ブリがとれないためハタハタで代用し、その卵を「鰤子」と呼んだそうです このブリコ、粘りがありとても濃厚な旨味でブチッブチッと独特の食感がやみ付きになります まさにハタハタは卵を食う魚と言っても過言ではありません 卵が入っていなければこの魚の値打ちは半減です だまされてオスを高値でつかませられぬためにひとつ! ちょっと写真の親指の下を見てください これは泌尿生殖突起。オスの腹部を手でさすると、男の部分が出てきます 変態なわけじゃありませんよ! 魚河岸に行くとこうして調べ、卵の入ったメスだけをこっそりより抜くんです それにしてもこの写真、なんだか哀愁が漂ってますね #
by yataiti1gou
| 2010-10-08 00:46
| は行
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